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日本工業経済新聞社(群馬)
2023/07/18

【群馬】県企業局発電課 白沢発電所リニューアル 水圧鉄管や片品川取水口ゲートなどの更新工事を計画

県企業局発電課は、白沢発電所(沼田市白沢町尾合892)の大規模リニューアルについて、2023年度は水圧鉄管や片品川取水口ゲートなどの更新工事を計画している。水圧鉄管は早ければ第2四半期中、取水ゲートは秋ごろに工事を公告したい考え。23年度はこの他、発電所土木工事や放水路改修工事が予定されている。24年度以降は発電所建屋の建設や取水口の更新などを見込んでいる。設計は北電技術コンサルタント(富山県富山市)がまとめた。
同発電所は1964年に完成。発電形式はダム水路式で、薗原ダムの水を利用して発電している。発電機は3相交流同期、水車が縦軸フランシス型で最大出力は2万6600kW。年間可能発電電力量は9166万8000mWhとなる。また、管路関係は導水路が2787m、導水路トンネルが1508m、導水路から発電所までの水圧鉄管が495m、放水路は2009mとしている。
更新する水圧鉄管は1管。延長約500mで内径1・9〜2・9oとなる。工事は老朽化した既存の鉄管を撤去し新たに設置するもの。工期は鉄管の製造も含め42カ月としている。工種を鋼構造物工事とし、早ければ第2四半期中に一般競争入札で公告することとなる。
片品川取水ゲート等更新工事は、3月20日に一般競争入札で公告したが取りやめとなっているもの。既設の取水ゲートはW3・3m×H3・3mで、同程度の設備に更新する。また、取水口ゲートに附帯している除塵機1機の更新も行うとしている。6月までに一般競争入札で工事を公告する計画としていたが遅れている状況で、今後、工事に向けて利根発電事務所が設計する流れとなる予定で、手続きなどがスムーズに進めば秋ごろに工事発注となる見込み。工種は構造物工事、工期は制作日数も含め57カ月としている。
土木工事では、発電所基礎改良や水圧管アンカーブロック・小支台改修、地上階スラブ補強、既設発電所建屋撤去、既設屋外クレーン撤去などを予定している。これらの工事を一括して土木工事とし、第3四半期に一般競争入札で公告。工種は土木一式となる。工期は36カ月を予定している。
放水路改修工事は放水路を内側から補強する他、ガントリーの改修を行うとしている。工期は42カ月。一般競争入札で第3四半期中に土木一式工事として公告する見込み。
リニューアル工事は固定価格買取制度(FIT)を適用して売電することで収益の増加を図るとともに、施設の長寿命化に向けて行うもの。対象は水車発電機など機械設備関連全般から、取水設備、導水路、放水路など土木設備まで全般となる。機械設備類は更新、土木設備などは改修を予定しており、機械設備更新後の能力については現状と同様程度を想定している。なお、実施設計の発注年度である20年度を事業開始とし、事業完了の27年度までに総事業費は約146億円を見込んでいる。