京都市は、世界遺産・元離宮二条城の二之丸御殿について、令和6年度から2期に分けて本格修理事業を計画している。
12日開催の元離宮二条城保存整備委員会に、世界遺産二条城本格修理事業の年次計画(現行)を報告した。
第1期(平成23年度〜平成28年度の6年)は[文化財建造物]唐門・築地(平成23年度〜平成25年度)、東大手門(平成26年度〜平成28年度)、[史跡整備]番所(平成27年度〜平成29年度)。第2期(平成29年度〜令和5年度の7年)は[文化財建造物]本丸御殿(玄関他3棟)。
第3期(令和6年度〜9年度の4年)は[文化財建造物]二之丸御殿(白書院、黒書院、蘇鉄の間)、[史跡整備]溜蔵・二階橋廊下。
第4期(令和10年度〜令和18年度の9年)は[文化財建造物]二之丸御殿(遠侍、式台、大広間)、指定文化財(東南隅櫓他14棟)。
保存整備委ではこのほか、重要文化財(建造物)本丸御殿保存修理事業の進捗状況も報告。令和5年度に事業が完了することを受け、本丸御殿の歴史的・芸術的価値を広く伝えるため、後年度の一般公開に向けた準備を進めている。
本丸御殿公開整備事業について、これまでの経過をみると、令和4年度は保存整備委の各部会において、法的整理(消防法やその他各種法令への適合化)及び文化財保護の観点を踏まえた上で、より魅力が伝わる適切な手法や設備等の検討を行った。検討結果は本丸御殿等環境整備計画として策定した。
同計画に基づき、令和5年度は、展示案内に係る整備や電気幹線の設計等のインフラ設備工事に着手する予定。各部会で@防犯・防災・情報設備A雨戸B展示設備C電気等管路D文化財への影響とその対策(ア・建造物、イ・障壁画、ウ・史跡)Eその他について検討する。
保存整備委の委員からの質問に答える形で市は「(二之丸御殿の)工事中は大きな素屋根がかかるが、その中を来城者にどうやって見学してもらうか、どのように文化財を修理をしているかを見てもらう」「(公開を控える)本丸御殿は、どういう公開の在り方がいいのか、どれくらいの人数に入っていただけるのか、障壁画や建物に影響のないような観覧の仕方はどういうものがあるのかなどを考え、適宜、部会に示したい」などと回答した。