鹿角地域振興局建設部は、世界遺産に登録された大湯環状列石群を南北に分断する形で通る県道十二所花輪大湯線の一部区間を路線変更して道路を新設するため、予備設計(L2,550m、平面交差点予備設計含む)と地質調査を公告した。8月2日に開札する。新設道路は現道の東側を迂回する計画で、詳細の延長は現在、検討中。6年度も予備設計を継続する見込み。
同路線は、北側で市道花輪小坂線、南側で市道浜田二本柳線と接続。大湯環状列石群の間を通り、東側に野中堂環状列石、西側に万座環状列石と遺跡を分断している。遺跡を一体化して観光できるように、同局と教育庁が「未来につなぐJOMON」世界遺産魅力アップ事業として路線変更を立案した。分断する区間の現道(L900m)を付け替え、遺跡の保全や景観改善を図る。
道路新設に向け、昨年度に道路概略設計(セントラルコンサルタント)を実施。現道の東側、西側それぞれを迂回するルート案などを検討した結果、東側に迂回するルート案を選定した。西側に迂回するルート案は盛土や橋梁新設が必要となり、工事費が増大する懸念があること、また、鹿角市の景観計画における日没の風景において東側に迂回するルート案が都合が良いことなどが選定の決め手となった。
今年度は、世界遺産の周辺において事業を行う際の影響を評価する遺産影響評価も併せて進めており、内容を必要に応じて予備設計に反映させる。
提供/秋田建設工業新聞社