県は10日、2021年7月から運用してきた特例監理技術者制度の配置要件を一部見直すことを明らかにした。従来、特例監理技術者が兼務できる2件の現場は、双方とも県公共4部の発注工事としていたが、今後は国または市町村等の工事も兼務できるように要件を緩和。建設業の技術者不足が叫ばれる中、限られた人材の有効配置と生産性向上を図る。
同は、現場に監理技術者補佐を専任配置すれば、監理技術者が2件まで工事を兼務できるもの。19年6月の建設業法改正を受けて各発注機関で導入が進み、県も21年7月から運用を開始した。
県ではこれまで、特例監理技術者が兼務する2件の工事について「双方とも公共4部(土木・農政・環境林務・商工労働水産部)が発注する工事でなければならない」としてきたが、今回この要件を廃止。県に限らず、国や市町村等が発注した工事も兼務できるように見直した。
適用範囲は従来通り。「同一の地域振興局または支庁管内に属する工事」「現場の相互間隔がおおむね10km以内の範囲に属する工事」−のいずれかを満たすことを求める。
要件の緩和は、深刻化する技術者不足に配慮し、限られた人材を有効配置や生産性向上を図る狙いがあるとみられる。
7日以降に公告または指名通知を行う工事から適用。これ以前に締結した工事であっても対象とすることができる。
【解説】監理技術者補佐
監理技術者の職務を補佐する者として、工事現場に専任配置する技術者のこと。配置する工事の業種に応じた主任技術者の資格を持ち、@1級施工管理技士補A1級施工管理技士などの国家資格B監理技術者の資格(学歴・実務経験により取得)−のいずれかを有する必要がある。
要件の一つとなっている1級技士補は、1級の第1次検定(2021年度に技術検定制度見直し)に合格した段階でその資格が取得でき、監理技術者補佐としての現場配置が可能となる。