川崎市は7月7日、6月に完成した市役所の新本庁舎を報道機関に公開した。防災や地球温暖化対策、職員の執務環境などに配慮するとともに、地上25階の展望ロビー、解体した旧本庁舎の復元棟など市の歴史や特色を感じられる展示やデザインも取り入れた。秋ごろから移転を開始する。
新本庁舎は地下2階地上25階建て延べ6万2356平方b、高さ117b。設計は久米設計、工事は大成建設横浜支店が担当した他、復元棟は小川組(川崎市川崎区)が施工した。
公開されたのはアトリウムや議場、執務室など。防災対策の観点から議場は膜天井、執務室はボードなどを使用しない無天井として地震発生時の被害を防ぐとともに、低層部に制振ダンパーを設置。水害の影響を考慮して免震層や機械室は中間階に設けた。
内装にはナラやクリなど多様な種類の木材を使用した他、重工業で発展したまちをイメージして鉄製の素材も取り入れている。
復元棟の内部では旧庁舎竣工当時の市長室や会議室を再現。屋上には芝生やベンチなどを設置し、時計塔を眺めることができる空間を設けた。
今後は現在の第2庁舎の解体・撤去と跡地広場の整備工事を進め、24年度内の完成を目指す。
提供:建通新聞社