ICT活用工事に「農業土木」を追加 30日以降の案件から適用 佐賀県は、建設現場の生産性向上などを目的として、ICT活用工事の対象工種を拡大する。新たに農林水産部が発注する農業土木工事を追加し、「土工」や「ほ場整備工」など4工種に関する試行要領を策定した。7月30日以降の公告案件から適用する。
県では、県土整備部の発注する土木工事や舗装工事、河川浚渫、地盤改良工、付帯構造物設置工、法面工などを対象に建設現場の生産性や建設労働者の賃金水準の向上、安全性の確保などを目的としてICT活用工事を試行導入している。
今回は新たに農林水産部が発注する農業土木工事を追加し、▽土工▽ほ場整備工▽舗装工▽付帯構造物工―の4工種に関する試行要領を策定した。
土工の対象工事は、施工土量1000立方b以上の共通工事(掘削工、盛土工、床掘工、栗石基礎工、砕石基礎工、砂基礎工、均しコンクリート工)、管水路工事(管体基礎工)で、発注方式は土工量1万立方b以上が発注者指定型、土工量1000立方b以上1万立方b未満が受注者希望型となる。
受注者は発注者へ工事打ち合わせ簿で内容などが確認できる資料を提出し、発注者が協議内容に同意し施工を指示することによりICT活用工事を実施する。
ほ場整備工と舗装工の対象工事は、施工面積が1f以上のほ場整備工事(基盤造成工、表土整地工、畦畔復旧工、道路工)、施工面積が3000平方b以上の舗装工事(不陸整正、下層路盤工、上層路盤工、コンクリート舗装工、アスファルト舗装工、砂利舗装工)となり、発注方式は受注者希望型を基本とするが、発注者指定型として発注することを妨げないものとし、特記仕様書にICT活用工事である旨を明示する。
付帯構造物工の対象工事はコンクリートブロック積工、同張工、石積(張)工、コンクリート側溝工、コンクリート管渠工)で、ICT土工やICTほ場整備工、ICT舗装工における関連施工種とするため、ICT付帯構造物設置工単独での発注は行わない。
工事成績評定については、標準型を実施した場合は創意工夫における施工で「情報化施工技術を活用した工事」において2点加点し、簡易型を実施した場合は創意工夫における施工の「その他」で1点を加点する。
また、ICT活用工事を途中で中止した場合は、発注者指名型が法令遵守などで減点となり、受注者希望型は加点対象とせず、減点は行わない。