愛媛県公営企業管理局は、県立今治病院の老朽化対策について医療関係者を交えた検討委員会(委員長・県公営企業管理者)による基本計画の策定作業に入った。年内をめどに整備の方針や手法、事業費、スケジュールなどを盛り込んだ老朽化対策の方針を取りまとめる考え。
初会合は6月に非公開で開催。委員会スケジュールの確認をした上で今治圏域の医療の現状・将来予測、今治病院が今後担うべき医療機能・役割と規模の考え方について事務局の説明を受け協議した。
委員からは、現状今治病院を含め二つしかない今治圏域の中核病院の存続を望む意見や救急機能の維持、松山圏域との連携も重要とする意見、小児・周産期機能に関する意見などがあった。また診療規模の検討に当たっては、医療需要などとは別にマンパワーの確保という観点からも検討すべきという意見もあった。次回会合は8月下旬〜9月上旬をめどに開き、今治病院の医療機能と診療規模について協議する予定。
今治病院は、地域周産期母子医療センターを併設し、二次救急、周産期、小児の医療救急、脳血管疾患等の急性期医療や災害医療、感染症医療を提供する今治圏域の中核病院で、一般病床270床(うち稼働は238床)、精神病床50床(休床中)。1983年に建設し、93年に高度医療のための病棟を増築するなどしているが、築後40年を経過し建物本体の老朽化が進み、診療機能の制限や患者のアメニティー機能が低下していることから老朽化対策の具体化を急いでいる。
所在地は今治市石井町4ノ5ノ5。基本計画策定支援業務は野村ヘルスケア・サポート&アドバイザリー(東京都千代田区)を代表者とする野村ヘルスケア・長大共同企業体が担当。
提供:建通新聞社