岐阜市は、2021年に移転し、解体を進めている市役所旧本庁舎跡の活用事業者を十六フィナンシャルグループ(十六FG、岐阜市神田町8ノ26)に決めた。これを受けて十六FGは、跡地に地域住民が利用できる共有空間と、グループ企業のオフィスが入る複合オフィスビルの建設計画を発表。本部機能を新ビルに移転することを明らかにした。今後は、解体完了後の24年3月に事業用定期借地権設定契約を締結。25年2月に着工し、27年4月の開業を目指す。設計者・施工者の選定状況については「今後検討する」とし、明言を避けた。
新築するビルは鉄骨一部鉄筋鉄骨コンクリート造7階建て地下1階(免震構造)を想定。4〜7階の上層部にオフィス設け、1〜3階を共有空間として地域住民に開放する。特に1階には、災害時の一時避難場所を整備し、地域の防災力強化を図るとした。公開空地は、屋根のある屋外部を含め、1〜2階で1万0900平方bを確保する。
機能としては、同社の本部機能やグループ企業のオフィスの他、多目的会議室やギャラリー、まちづくりサポート施設、起業支援施設などを配置。これらの機能を踏まえ、十六FGは新ビルのコンセプトを「ともに“#GIFU”の未来を創造する『16FGオフィス&パーク』」とし、新ビルの整備を通じて「中心市街地の魅力と回遊性を高める」との考えを示した。
一方、名鉄岐阜駅前の現本店ビルについては、本部機能の移転後、銀行の本店機能を残して営業を続ける見通し。本部機能移転によって生まれる空きスペースなどについては、カフェを設けるなどの計画があるようだが、「活用方法の詳細は今後検討する」としている。
同社は、今回の計画全体について「岐阜市が掲げる『持続可能なまちの実現に向けた、活力の源となるにぎわいをつなぎ、にぎわいづくりを支える空間の形成』の実現に向けて取り組んでいく」とコメントした。
新ビルの建設地となる旧本庁舎跡は、岐阜市今沢町18他の敷地面積1万1868平方b。旧本庁舎の解体は23年度末までの完了を予定している。
提供:建通新聞社