県議会は5日、第2回定例会の最終本会議を開き、陳情採択等を行った。姶良家畜保健衛生所の早期整備を求める陳情書について、本会議や委員会で論議を重ね予算案を議会で可決した経緯を踏まえ、移転整備を推進する必要があることから採択。また、移転先の見直しを求める陳情は、丁寧な説明を求める声があることから継続審査とした。
審査内容は所管する産業経済委員会の郷原拓男委員長(自民党、鹿屋市・垂水市区)が報告。同委員会では6月27日に、築後56年以上が経過した現施設や移転予定地を視察。
早期整備を陳情したのは、県獣医師会など2団体。移転計画見直しを求めている住民の会では、移転の必要性は理解しているが知事が住民の声を聞く機会を求める意見があるため継続審査となった。
移転に向けた取り組みは、姶良市や霧島市から紹介のあった8カ所の土地について県が現地調査を実施。周辺の状況確認を行った上で4カ所を候補地とした。
その後、関係部局による選定会議を2022年4月に開催し、管内の農場へ2時間以内に到着できる立地等の項目に関して協議。最適な移転候補地として霧島市牧園町高千穂地区(敷地面積約1万1500u)を選定。同年10月に霧島市から土地を購入した。
建物規模は管理棟がW造平屋建て495u、検査棟はRC造平屋建て560u、焼却棟・車庫外はRC造平屋建て370u−など。当初予算に5億828万円、債務負担行為で限度額6億248万円を計上している。
■新総合体育館
要求水準書案 年内に修正版
文教観光委員会の田畑浩一郎委員長(自民党、南九州市区)はスポーツ・コンベンションセンター(新総合体育館)について報告。「PFI手法での要求水準書案は10月に公表。これに対する事業者との対話を行い、年内に修正版を予定している」と当局の考えを説明。資材価格高騰等への対応は「今後、事業者の意見等を踏まえ今年度末、事業費に反映させる。その後再度、従来型手法とPFI方式での価格を精査した上で、改めてVFМを算定する」とスケジュールを明らかにした。
■鹿児島市のスタジアム問題
多くの課題伝えている。
総合政策建設委員会の伊藤浩樹委員長(自民党、出水市区)は鹿児島市が計画している多機能複合型スタジアム問題で「北ふ頭での整備は、グランドデザインとの整合性、既存の離島航路や上屋の移転など多くの課題があることは鹿児島市に伝えている」とこれまでの経緯を報告した。
■副知事の選任
大塚氏に同意
須藤明裕副知事の退職に伴い、後任の大塚大輔氏を選任する議案に県議会が同意した。同氏は1996年4月に京都大学経済学部卒業後、当時の自治省に入省。地域総合整備財団事務局長、国土交通省大臣官房参事官(航空戦略担当)、地方公共団体金融機構資金部長等を歴任。鳥取県出身の50歳。