甲賀市は、甲南町野田地先にある野田橋の橋梁長寿命化工事を計画しており、当初の事業スケジュールでは今年度から工事に着手する予定でいたが予算確保や事業費等の兼ね合いにより24年度に工事発注したい考えだ。
同橋による主な工事は、過年度に実施した健全度調査の中で▽上部構造1・2径間目の主桁付近及び横桁において著しいひび割れの修繕▽橋脚支承周辺の土砂詰まりの改善▽漏水跡及び橋面の舗装改修▽路面土砂堆積の解消―など。同橋は、82年から供用開始され、橋長85・2bで幅員は全福10・3b、有効幅員9・25bの上部工PC橋+ポステンT桁3連橋、下部工T型橋脚2基と逆T式橋台2基で構成。
設計業務については、日本構造橋梁研究所(大津市・滋賀営業所)が担当し、22年度に完了している。
市内にある橋梁は684橋あり、架設年数・環境等様々な要因により劣化・損傷の激しい橋梁が多数あることから、橋長15b以上の橋梁について点検・調査を行ったところ、建設年度を50年以上経過している橋梁は全体の約7%を占めており、20年後には約60%に増加し、橋梁の高齢化が急速に進行することが予想される。これらの高齢化を迎える橋梁群に対し従来の「事後保全型」の維持管理を行った場合、橋梁の修繕及び架け替えに要する費用が増大することが懸念され、コスト縮減のためには損傷が大きくなる前に予防的な対策を行う「予防保全型」の維持管理へと転換し、橋梁の長寿命化を図ることが必要。そして将来的な財政負担の低減および道路交通の安全性の確保を図るため、計画的に補修対策を実施していく。
提供:滋賀産業新聞