京都市は、右京区梅ヶ畑の北部クリーンセンターについて、令和8・9年度に大規模改修工事を実施する。
市会環境福祉委員会に報告した内容によると、クリーンセンターのプラント設備は、耐用年数が約20年とされることから、北部クリーンセンターについても20年目の令和8年度をメドに大規模改修工事の実施に向けた取組を進めることとしている。同センターを一日でも長く使用し、既存施設を最大限稼働させる観点から、日常の適正な運転管理と毎年の適切な定期点検整備(オーバーホール)を令和5年度まで実施してきた。
これらを講じてきた結果として、現在の焼却炉やボイラ等のプラント設備の状況を踏まえ、令和8・9年度に大規模改修工事を実施する。
工事概要は、プラント設備について、焼却炉、ボイラなどの基幹的な設備の更新、その他性能低下や摩耗の進行が早い設備の更新を図ることを予定している。
工事の手法を検討した結果、焼却炉1炉を稼働させながら他方を改修するなどの工夫を行い、焼却炉2炉を完全に停止する期間(共同休炉)を極力短くすることにより、年間6・7万t程度の処理余力を確保できる見込み。
今後、工事内容、経費等を精査し、令和6年度に具体的な内容を市会環境福祉委員会に報告する予定。
令和7年2月市会に関連する予算案を提出し、議決されれば、5月市会にプラント設備工事の契約議案を提出する予定。
京都市北部クリーンセンター(右京区梅ヶ畑高鼻町27)は、敷地面積が9万5000u。建築面積は1万2064u。竣工は平成19年1月10日。焼却能力は1日400t(1日200t×2炉)。クボタ階段摺動ストーカ式。火床面積は38・70u×2基、ボイラー形式は単胴自然循環式。発電能力は8500kw(最大)、抽気復水蒸気タービン方式。排ガス処理方式はガス急冷、ろ過式集じん、湿式ガス洗浄、活性炭吸着、触媒脱硝。排水処理方式は凝集沈殿、ろ過、吸着。
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北部クリーンセンターを巡っては、令和12年度までを計画期間とする市の循環型社会推進基本計画(京(みやこ)・資源めぐるプラン)において、令和8年度をメドに大規模改修工事の実施に向けた取組を進めることが盛り込まれていた。
また、令和2年11月の持続可能な行財政審議会において、大規模公共施設の整備の一つとして、北部クリーンセンター大規模改修(130億円)が挙げられていた。
なお、左京区静市市原町の東北部クリーンセンターは、延命化のため大規模改修を実施した。東北部クリーンセンター改修工事(プラント設備工事)を令和元年5月市会に提出。プラント施工業者の川崎重工業梶i神戸市中央区)と随意契約した。請負金額は117億4800万円。