米子市と県がPFI(BTO方式)手法で進める米子新体育館整備事業を巡り、市は名称を「米子アリーナ」とするとともに、事業費の概要を明らかにした。整備費は76億9572万3000円、市民体育館の解体費は3億4811万5000円を見積もった。6月30日の市議会都市経済委員会で示した。
市は開会中の6月定例市議会に提出した一般会計補正予算案で、事業費として104億8115万9000円を予算化。国庫支出金、県負担金、市の一般財源を含めた金額で、可決後、7月中旬にも募集要項の公表、入札公告をする。
委員会で内訳について、整備費、解体費のほか、新体育館の維持管理・運営費を11億6215万4000円、既存の東山公園施設維持管理・運営費を8億9496万円、借入利息と特別目的会社の運営費といったPFI特有の経費を3億8020万7000円と見込んだことを説明した。
整備基本計画で約60億円と公表していた整備費が大幅に膨らんだことについては、什器・備品費として約2億円を追加した上、資材価格高騰の影響として約9億円、サブアリーナの想定面積を1360平方bから1700平方bに増床したことなどの機能拡充で約6億円増えたとした。この結果、バリュー・フォー・マネー(VFM)は当初の4・8%から8・4%になる。
新体育館は、県立米子産業体育館、市民体育館、米子市営武道館を統廃合し、現在の市民体育館一帯に建設する計画。メインアリーナ、サブアリーナ、武道場など延べ床面積1万2000平方b程度で構成し、バリアフリー、ユニバーサルデザイン対応、プロスポーツや全国大会の開催が可能な施設とする。事業は、新体育館整備に加え、同体育館を含む東山公園内11施設の維持管理業務、運営業務など。事業期間は2024年4月から42年3月末まで。24年1月の事業者決定を予定する。
日刊建設工業新聞