県南部土木事務所は、草津市矢橋町で計画している「新十禅寺川橋修繕整備事業」について、来年度当初予算案に事業費を計上する考えを固めたことを明らかにした。
予算措置後は、適時の発注を目指す。工期は6ヵ月程度を想定。
同橋梁は、92年(平成4年)に架設された橋長16・4b、幅員10・15b。上部工形式はPCプレテン中空床版橋、下部工形式は重力式橋台で構成する同橋が、過去に実施した点検の中で床版に漏水・遊離石灰、堅壁にひび割れ、舗装の土砂詰まりが生じていることを発見、加えて、伸縮装置の劣化が激しいため、それらの修繕と更新を含めた修繕工事を事業化した。
同事務所では、11年度(平成23年度)から進めている橋梁長寿命化修繕計画に基づき、橋長15b以上を対象に損傷が大きくなってから対策を行う事後保全から、損傷が大きくなる前にきめ細やかな修繕を繰り返す予防保全を行っており、管轄エリア内の大半を予防保全に切り替えを終え、更なる維持管理コストの縮減、平準化、道路ネットワークの安全性・信頼性の確保等を目指す。
関連して、県は建設から50年以上経過する橋の割合が増加し、対策を講じなければ20年後には全体の80%が更新時期を超える現況から、過年度に県内各所に架かる3037橋を対象に修繕計画を策定。それによると、現在県が認識している管理橋の構造形式は、RC橋とBOXを含めたRC構造の割合が57%占めており、橋長15b未満の橋梁は約71%と示した。14年から5年に1度実施している法令点検で橋梁の状態把握に努めており、健全性の低いものから順次予算化し、良好な状態へと改善しているところ。今回の新十禅寺橋も計画の一環で、県は予算の平準化を念頭に入れながら修繕優先度を見極め、新しい技術を取り入れていくなど、安全な交通網の整備を推進していく方針だ。
提供:滋賀産業新聞