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北陸工業新聞社
2023/06/30

【石川】クローズアップいしかわ2023vol.19/あす7月1日は「建築士の日」/奥能登地震で被災者支援/石川県建築士会会長 照田繁隆氏/BIMやAI、時代の転換期

 7月1日は1987(昭和62)年10月に制定された「建築士の日」。今、BIMやAIといった高度な技術革新をはじめ、様々な法改正に伴い、建築士を取り巻く環境は大きく変化している。石川県建築士会の照田繁隆会長に奥能登地震への対応や今後の建築士の役割などを聞いた。
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 ―5月に震度6強を観測した奥能登地震。珠洲市正院町を中心に木造建築物で大きな被害が発生した。応急危険度判定など迅速な対応を行った。
 「珠洲市からの要請に基づき県建築士会や県建築士事務所協会、県建築住宅センター、住宅金融支援機構などで構成される「いしかわ住宅相談・住情報ネットワーク」を中心に、5月29〜31日の3日間、相談窓口を開設したほか、今月17日から毎週土曜日に技術者を派遣し、現地相談も行っている。できるだけ被災者の役に立ちたいと思っている」

 ―2007年の能登半島地震に比べれば被害は少ないとはいえ、今回は長周期地震動と思える大きな横揺れで局的な被害に見舞われ、未だ復旧復興のめどは見通せない。
 「奥能登は高齢化が進んだ過疎地域であり、できるだけ慣れ親しんだ地元で、高齢者が今後も生活を続けていけるために何ができるかという視点で相談に応じている。大きな被害であり、修繕だけでは安心とは言えず、最低限の耐震対策をした上で住み続けて欲しいと願っている」

 ―7月29、30日に金沢市文化ホールで第32回全国女性建築士連絡協議会(石川大会)「守り・育て・受け継がれる技術、手仕事〜伝統工芸と建築〜」が開催される。2015年の第58回建築士会全国大会石川大会以来の全国規模のイベント誘致だ。
 「これまでに500人を超える参加者を見込んでいるが、さらに増えるだろう。県建築士会では女性委員会を設置して約35年が経ち、特に住宅関連業界は女性建築士が活躍できる場面が多く、女性ならでは視点が重視される。来月の大会を契機に一層、研さんを積んで欲しい」

 ―BIMに加え、AIの活用など目覚ましい技術革新の波が建築界にどんどん押し寄せている。
 「AIによって新たなものが創出され、いずれ我々の業界にもそうした技術が入ってくると思うが、技術に「使われる」のではなく、「使いこなす」ことが肝要。いずれにせよ、建築士の社会的な責任が益々重くなり、大きな時代の転換期に直面しているといえる」

hokuriku