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　　岡山県は、２０２３年度から32年度までの10年間の県離島振興計画をまとめた。改正離島振興法に基づいて10年ぶりに内容を見直したもので、備前市の日生諸島、笠岡市の笠岡諸島など６市６地域の有人島14島を対象に、ハード面では浮桟橋の機能保全や島内道路の拡幅整備、落石対策など、生活環境や自然環境の保全・再生、防災基盤の整備などに取り組んでいく。
　主なハード整備計画は次の通り。
＝日生諸島地域振興計画（備前市）＝
（生活環境の整備）
　▽大多府島―頭島から海底送水管により給水しているが、耐用年数40年が経過していることから管路の更新計画を策定し整備を進める。大多府浄化センター―施設の延命化を考慮した改築更新を行う
　▽鴻島―別荘地内管路の管理区分を明確にし、老朽化による漏水などの問題に対応した飲料水供給施設の改良を行う。浄化槽設置整備事業補助金などの支援施策の周知に努め、全世帯への合併浄化槽の設置を促進する
（自然環境の保全・再生）
　▽太陽光発電システムやリチウムイオン蓄電池などを対象機器とした「ゼロ・カーボンシティ促進補助金」により、各家庭で発生したエネルギーの自家消費を促進するなど
（防災基盤の整備）
　▽治山治水対策、海岸保全対策、急傾斜地崩壊対策などを、自然環境に配慮しながら計画的に実施し、災害防止に努める
＝前島地域振興計画（瀬戸内市）＝
（生活環境の整備）
　▽上水道の海底送水管と島内インフラの維持管理に努めるとともに、合併浄化槽の設置を進める
（防災基盤の整備）
　▽消防機庫の移転を検討
（移住・定住の促進）
　▽空き家となった別荘や住宅の活用策の検討。移住を希望する人などが島でテレワークができる施設を整備する
＝犬島地域振興計画（岡山市東区）＝
（防災基盤の整備）
　▽高潮対策としての海岸整備に継続して取り組むとともに、近い将来発生が想定されている南海トラフの巨大地震による津波も見据えた整備も併せて検討していく
＝石島地域振興計画（玉野市）＝
（交通・通信体系の整備）
　▽島の玄関口である石島港の安全な航行に向けた港湾整備を進めていく
＝笠岡諸島地域振興計画（笠岡市）＝
（島内交通）
　▽手すり設置などバリアフリー化と併せて、必要な道路整備に努める
（情報通信体系の整備と活用）
　▽高速ブロードバンド回線などによる情報通信基盤の整備を検討する
（生活環境の整備）
　▽旅客船、渡橋への滑り止め施工や手すりの設置などバリアフリーを目指した港づくりを推進する。島への玄関口である笠岡港（住吉地区）は、旅客ターミナルや観光駐車場、ＪＲ笠岡駅との連絡通路などの整備を進める。各島の港についても港湾整備を推進する
（産業の振興）
　▽漁場の改良・造成、漁村環境の整備
（観光の振興）
　▽観光トイレなどの整備など

「提供:建通新聞社」