山腹に地すべり兆候がある智頭町の大呂地区で、八頭県土整備事務所は土砂崩れによって寸断される恐れのある県道のバイパス検討に入る。400b級のトンネル化を想定し、万が一に備えた恒久対策とする考え。23日、智頭町役場との懇談で説明した。
大呂地区では20年3月、山腹斜面から崩れた土砂が北股川に流れ込み、一部は県道津山智頭八東線に流出した。
八頭県土は山腹斜面の地下水を排除する地すべり事業を引き続き進める一方、大規模な土砂崩落に対応するため県道をバイパス化し、交通遮断を回避する。
バイパスは約400b。虫井神社西側の山林部をショートカットして地すべりの影響範囲をう回させる。同事務所は7月から11月にかけて現地測量と予備設計を実施して計画を策定。24年度に公共事業の事前評価に諮り、25年度から事業着手する見通しを示した。
トンネルを柱とした抜本対策を考えており、福本浩二所長は「トンネルは県土整備部としての案の段階で、今後財政課との調整が必要」と補足した。
このほか懇談では、八頭県土各課が金児英夫町長らに町内の事業を説明。砂防は13カ所で事業を進め、うち西宇塚のシコイ谷川は新規事業化に向けた調査に入る。県道改良は津山智頭八東線・郷原〜西野工区で、上半期内(9月末まで)に米倉谷橋の上部工と西野橋の下部工に着工する。
日刊建設工業新聞