日本工業経済新聞社(埼玉)
2023/06/23
【埼玉】杉戸県土、埼建協支部と意見交換/開催時期を前倒し、夏以降の発注に要望反映
杉戸県土整備事務所と埼玉県建設業協会杉戸支部(支部長=星野守男星野組社長)が21日に意見交換を行い、地域づくりに不可欠な公共工事の課題などを巡り認識を共有した。杉戸県土の関宏所長は「管内の意見交換は例年秋ごろ行っていたが、より早い時期に業界の意見を聞き、工事発注に反映したいと考え、前倒しとなった」と狙いを伝えた。夏以降も多くの発注があり「できるだけ要望に応え、地域整備を推進する」と強調した。
工事関係書類の作成や提出にかかるコスト縮減に受発注者の関心があった。書類の簡素化などの考え方について、杉戸県土側は「成果品の提出は、工事規模・特性を踏まえ特記仕様書上で不要な資料を指定する場合がある」と報告した。
検査書類に関しては「国土交通省の『検査書類限定型工事』に規定された10種類で十分と考える。安全対策に関係する書類など監督員の確認が必要なものでは、別途作成すべきと捉えている」と回答した。
前工事の成果品データ等の情報は「次工事に提供しているとの認識だが、提供がなければ監督員に相談してほしい」と答えた。
工事の仕上がりを高める上で、設計段階の品質向上は欠かせない。「発注図と実際の現場が異なるとの声は絶えない」との指摘に対し、杉戸県土は「設計と現場の相違は申し訳ない。コンサルを含む3者協議、工事執行委員会で施工者の参考意見を求める」などの対応案を示した。
また、段階確認は「施工後に見えなくなる箇所、容易に後戻りできない工種(施工前)は、段階確認に記載がなくても事前に確認することがある」と杉戸県土が理解を求めた。技術継承の観点から「職員が若手であれば、積極的に現場を確認させたいとの思いがある」とも回答した。
関所長は、管内の除草作業で起きたスズメバチによる不幸な事案に触れ、安全確認を改めて喚起した。
不在の協会支部長に代わり、中島勘寿会計幹事(野口建設社長)が意見交換を締めくくった。課題はあれど改善されてきていること、作業の安全確保で一丸となることが一番だと訴えた。