昨年、開館50周年を迎えた県立博物館(鳥取市東町)がリニューアル改修に向けて動き始めそうだ。県は今夏から耐震化を中心とした改修整備基本方針の検討に入り、来年度にかけて基本計画を策定する。改修にはPFI手法の活用を想定しており、順調にいけば25年度に実施方針を公表し、26年度に事業者を決定して改修事業に着手する。
博物館の建物規模は、鉄筋コンクリート造地下1階、地上2階一部3階建て、延べ床面積9699平方b。日建設計が設計を担当し、熊谷組が施工した。
18年6月、県は改修整備の基本構想をまとめており、その際、県立美術館の整備スケジュールを踏まえながら適当な時期に構想内容を改めて検討するとしていた。
美術館は25年春のオープンにめどが立ち、今後、収蔵物の内容をすみ分けする博物館についても改修計画を進めることになった。
50年以上が経過した建物は、耐震力が不足しており、特に設備関係は手つかずのままだという。
基本方針の策定では、既存建物をよく知る日建設計に8月にも支援業務を委託。来年の夏から秋にかけて耐震改修の具体的な中身を検討し、合わせて照明のLED化など省エネ化、バリアフリー化も工事計画に取り入れる。
ただ、改修にあたっては越えるべき高いハードルがありそうだ。博物館事務局によると、国史跡・鳥取城跡内に位置する建物は、改修に一定の制約がかかり文化庁との協議が伴う。さらに、改修中は収蔵物品を館外に持ち出して管理することが迫られると説明する。
また、これら課題をクリアしても、来年度の基本方針を策定後にはPFI手法の決定が待ち構える。事務局は「何とか、県内事業者がからむスキームを考えたい」とし、最短スケジュールは25年度に実施方針を公表。26年に事業者を決定し、27年から改修工事に着工して30年のリニューアルオープンを目指す。
日刊建設工業新聞