横浜市建築局は、市営野庭住宅I街区とJ街区の建て替えで公民連携手法の導入を検討する。本年度にPPP/PFI手法の導入を決定した場合は、実施方針を2024年6月に公表し、25年度までに民間事業者を選定・契約する計画だ。6月27日に「市営野庭住宅建替事業(IJ街区)における民間活力導入アドバイザリー業務委託(その1)」の委託者選定で、公募型指名競争入札の手続きを開始した。入札参加を7月12日まで受け付け、19日に入・開札する。
参加できるのは、▽有資格者名簿(物品・委託等)で「各種調査企画」の2位以上、かつ細目「A市場・世論調査」と「Bコンサルティング(建設コンサル等を除く)」▽有資格者名簿(設計・測量等)で「建設コンサルタント等の業務」の2位以上、かつ細目「建設コンサルタント・PFI」―のいずれかに登録する企業。公営住宅の建て替えに関するPFIアドバイザリー業務か発注者支援業務の実績を求める。
事業手法は、PFI―BOT方式や民設公営方式など民間事業者が建物を所有する手法を複数案比較し決定する。これに向け、今回委託する業務では、前提条件の整理と想定事業スキームの検討、民間事業者の参画可能性調査(サウンディング調査)、PPP/PFI手法導入可能性の評価、PPP/PFI手法の事業実施に向けて検討すべき課題の整理、実施方針案や要求水準書案などの作成などを行う。履行期限は24年3月29日。
I・J街区には、鉄筋コンクリート造5階建ての住棟が15棟立つ。総戸数は510戸で、間取りの内訳は3DKが500戸と4DKが10戸。用途は第1種住居地域で建ぺい率は60%、容積率は200%。
建て替え後の戸数は500戸を確保する計画だ。棟数や各棟の規模は未定だが、住棟は集約・高層化する方針。集約化により余剰地を創出し、民間施設を整備してもらうなど利活用を図る。
I・J街区の所在地は港南区野庭町600ノ1〜601ノ1で、敷地面積は3万4158平方b。
市営野庭住宅は、A〜K街区の11街区に88棟、3294戸がある。1972年に完成した。このうち、I・J街区を含む約1000戸で、公民連携手法の導入を検討するとしている。この他は、市直営の建て替え、住戸改善で再整備を進める方針だ。
市は81年以前に建設され、おおむね築年数が古い市営住宅36住宅、約1万4000戸を再整備の対象としており、野庭住宅の戸数はその約2割を占める。
なお、市営野庭住宅の周辺には、横浜市住宅供給公社の分譲住宅「野庭団地」43棟・2869戸がある。
提供:建通新聞社