斉藤鉄夫国土交通大臣は26日に県内入りし、立山カルデラにおける砂防事業等の視察と立山町地元関係者との懇談会に出席した。斉藤大臣が同地を訪れるのは今回が初。
視察前に立山砂防事務所で開かれた懇談会には、国土交通省から斉藤大臣、三上幸三砂防部長、北陸地方整備局の内藤正彦局長と安達孝実河川部長、石田孝司立山砂防事務所長、地元からは舟橋貴之立山町長、立山女性サロンの会の吉友嘉久子アドバイザーと尾畑納子会長、立山山麓防災・安全対策協議会の志鷹新樹会長と堂口隆介副会長が出席。
まず、舟橋町長が同町の概要を紹介した上で、「立山砂防工事により、下流域が守られていることを県民に知ってもらうため、一般公募を含めた視察会を行っている。現地を見てもらうことで、県民の方々も理解頂けると思う」と説明。サロンの会の吉友氏は「女性だけの砂防の応援隊は世界でわれわれだけ。命を懸けて仕事をしていることを知ってもらうため、地道な活動を続けている」、尾畑会長は「未来に向け、子どもたちに防災教育の観点で活動を展開していく」と話した。
協議会の志鷹会長は、会の目的や活動状況を報告し、「物価高騰が大きく影響している。特にこの場所は、運搬を含めコンクリートに経費が掛かる。工事が減れば仕事をする人も段々減る。継続して人が入る環境づくりをお願いしたい」、堂口副会長は自身が10年間携わった立山砂防工事の厳しさを説明し、「立山砂防の難工事を無事に終えることは技術者、現場従事者のやりがい。今後も工事の安全、県民の安心が守り続けられるよう頑張りたい」と述べた。
これに対し、斉藤大臣は、「砂防事業は国土交通省が進める防災・減災、国土強靱化の中で最も大きな柱。今後も事業を続けていくため、しっかり予算を確保したい。若い人を採用して育て、経営が成り立つよう長期的な予算、展望が持てる計画を我々が示すことが重要。地域で支える若い優秀な人が、この地域で頑張って頂ける環境を作っていきたい」と応じた。
斉藤大臣はその後、水谷出張所で事業概要の説明を受けた後、白岩砂防堰堤など立山カルデラ内の砂防現場を視察した。