鴨川市は、城西国際大学安房キャンパス跡地など利活用事業者の候補を「教育研究に関する施設」を提案している2事業者に絞り込んだことを明らかにした。今後について、大久保孝雄・企画総務部長は「『安房キャンパス跡地等の利活用候補事業者選定審査委員会』での審査結果を踏まえ、城西国際大学と市の双方の合意により優先交渉権者を選定し、さらに交渉を重ねた上で利活用先を決め、協定を締結する流れを想定している」と説明。その過程で市民への説明・意見聴取の機会を設けるとともに、議会の承認を得たいとした。
19日の6月定例議会一般質問で、杉田至議員(無所属)からの質問に、長谷川孝夫市長と大久保部長が答弁した。
市と大学は、任意の協議組織として、選定審査委員会を2022年8月26日に設置した。
これまでに、市に活用提案を行った7事業者と大学側が把握する4事業者を対象に1次審査を行い、9事業者を2次審査の対象として選定し、ヒアリングを実施。3月末時点で5事業者に絞り込み、優先順位の高い事業者を中心に、提案事業の実現性など、さらなる確認作業などを進めてきた。
7日に開催した第5回会議においては▽市のまちづくりの方向性との整合▽持続可能な形での跡地などの利活用▽跡地などの一部開放などによる地域貢献――の基本コンセプトに照らし合わせ、実現性や実現に至るまでの期間などを考慮し、2事業者まで絞り込んだ。
各事業者による提案内容は▽教育研究関係=インターナショナルスクール(4件)、外国大学の日本校(2件)、中高一貫校、日本語学校および通信制高等学校提携サポート校、国際高等学校など▽福祉関係=介護サービス付き高齢者住宅▽観光関係=複合グランピング施設と道の駅――だった。
キャンパス跡地の土地の取り扱いに関し、大久保部長は「大学側から市に返還された後、市から原則として賃貸する形を想定していることを、審査の過程で事業者に伝えている。これに対し、2事業者からは、その前提で検討する旨の返事をいただいている」と説明した。
城西国際大学は、観光学部を安房キャンパスから東金キャンパスへ移転することに伴い、22年3月に安房キャンパスを閉鎖した。
土地は、非線引都市計画区域で、用途地域無指定。建蔽率60%、容積率200%。一部は地域森林計画対象民有林に該当。
面積約10haの観光学部用地(太海1717―1ほか)と、面積約4・7haの安房ラーニングセンター用地(太海1469―5ほか)で構成されている。
建物は▽観光学部=RC造地下2階地上5階建て、06年3月完成▽安房ラーニングセンター=RC造2階建て、04年4月完成▽安房グローバル・ヴィレッジ=S造3階建て、16年1月完成。付属施設として、駐車場、フットサルコート、総合グラウンドがある。