米原市は、耐震性が不足している弥高地先のため池「灰尾溜」について耐震化に向けた改修に取り組む。補助事業採択に向け市で22年度委託した測量業務および事業計画策定業務はそれぞれ完了しているが、他の事業の優先度から判断し補助申請手続きは早くても24年度となる見通し。申請手続きを経て順調に25年度の新規事業に採択されれば県、採択されなければ市、いずれかより同年度に詳細設計が発注され、26年度にも初弾工事の発注・着工を目指す。
「灰尾溜」(弥高字池谷182)は、弥高自治会が管理し農業用水などに利用されている、堤高11・7b、堤頂長72b、貯水量約1万4000立方b規模、取水施設1ヵ所、洪水吐1ヵ所の農業用ため池。老朽化が進み13年に行った耐震診断で耐震性が不足しているとの判定結果を受けており、決壊した場合の浸水区域に家屋が存在し、人的被害を与える恐れがある―とする県の市内21ヵ所の「防災重点ため池」に指定されている。上流側に位置する農業用ため池「神戸溜」とは、谷筋に連続する重ね池(親子池)であるため、2池の連携を前提に現時点では神戸溜を先行し、耐震化対策を立てる方針。
市では、早ければ24年度の補助事業採択申請に向け、採択を見据えた事業計画の作成を基本方針とし、22年度に耐震化整備事業計画の策定業務をキタイ設計長浜事務所(長浜市)に委託し、堤体他施設の危険箇所・安全性の確認調査に基づく設計基本計画、対策工法の提案、堤体他施設の概略設計―などを行い3月にまとめた。同時に測量業務を湖東測図(米原市)に委託し、現地測量0・01平方q、路線測量0・24q、深浅測量(W30b)4側線―他を実施済み。
事業計画は22年度策定したが、整備を必要とする他のため池の優先度などから判断し、新規事業採択に向けた申請手続きを市で行うのは早くても24年度とし、順調にいけば25年度の新規事業採択をもって県に所管が移り詳細設計から翌年度の工事、もしくは米原市で詳細設計、施工―としたい考え。
提供:滋賀産業新聞