サッカーJリーグ「横浜FC」親会社のONODERA GROUPは、三ツ沢公園に新スタジアムを建設し、横浜市に寄贈する計画を撤回した。建物規模の規制で当初計画していた規模で建設することが難しいと判断した。市は計画の撤回を受け、直営で建設することを決定。2023年度中にも基本設計の委託先を決める方針だ。
三ツ沢公園には、横浜FCや「横浜F・マリノス」「Y.S.C.C.」などさまざまなチームが使用するニッパツ三ツ沢球技場がある。1955年に完成したもので、Jリーグのスタジアム基準を満たしていないことや老朽化が進行していることから、市は対策を検討してきた。
再整備を巡ってはJリーグの基準を満たすような改修や現地での建て替えは困難と判断。三ツ沢公園再整備基本構想(案)ではニッパツ三ツ沢球技場は補修を行いながら継続して活用するとともに、既存球技場の北側に新たなスタジアムを建設する計画を示した。
ONODERA GROUPは昨年の10月7日に、2万人程度を収容できる新しい球技場を建設し、寄付すると市に提案した。寄付に当たり▽施設名称を「ONODERAスタジアム」とする▽ONODERAが60年間の管理運営を行う▽管理運営期間中の使用料・賃借料は無償とする―ことなどを求めた。市は、提案された計画が実現可能か精査するとしていた。
このほど、ONODERA GROUPが提案を取り下げた理由は、建設予定地が公園敷地内にあるため、建物規模に制限が掛かる他、一定の緑地面積を確保する必要があるなど、計画していた規模でスタジアムを整備することができないと判断したことに加えて、近隣環境を考慮するとコンサートなどの開催が難しく、サッカーなどの試合開催日以外で収益を上げる見通しが立たないことを挙げている。
提供:建通新聞社