道路機能について自動車専用道路と一般道路の2案で検討が進んでいた中九州横断道路の熊本北〜下硯川間が、自動車専用道路として整備される見通しとなった。19日、学識者らでつくる社会資本整備審議会道路分科会九州地方小委員会(委員長・円山琢也熊本大学大学院先端科学研究部教授)が計画段階評価を実施し、九州地方整備局の対応方針案を「妥当」と判断した。事業費は最大500億円が見込まれている。
通称・熊本環状連絡道路は、熊本都市圏の骨格交通軸(2環状11放射道路網)を形成する熊本西環状道路と中九州横断道路の大津熊本道路を結ぶ。計画沿線地域が世界的な半導体メーカーや大手自動車メーカー等の集積地となる現状や、熊本都市圏の交通結節点へのアクセスの脆弱さなどを踏まえ、道路は、九州縦貫道へのアクセスや走行性の向上を図り、産業の活性化や観光振興、都市圏の渋滞緩和、災害時に強く信頼性の高いネットワークを目指すことなどを基本コンセプトに掲げている。
道路機能については、これまで、国道・市道を立体で交差する全線自動車専用道路案と、国道・市道とを平面で交差し沿道に配慮する一般道路案を比較検討。地域住民や関係団体、沿線自治体などの意見も踏まえ、自動車専用道路が、中心部と周辺都市等の移動時間の短縮、都市圏の交通渋滞緩和、第三次救急医療施設への搬送時間の短縮など全ての政策目標を達成できるとした。
計画によると、全長約4`の4車線道路を予定。九州縦貫道と繋ぐ大津熊本道路の(仮称)熊本北JCT付近にICを置き、西環状道路の下硯川ICにハーフのICを造る。本線の構造は切土・盛土の土工を基本とし、河川や道路を跨ぐ区域は橋梁を想定。約400〜500億円の事業費を見込んでいる。
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