鹿児島市立病院は、再整備に向けてまとめた基本設計の内容を明らかにした。新設する増築棟(当初計画・5階建約7200u)は、建物規模SRC一部S造6階建約7986uで計画。既存棟(同・約3100u)も整備面積が増え、約5608uが対象となる。実施設計は速やかな移行を目指しており、早ければ6月中の着手が想定される。21日、市議会常任委員会(産業観光企業)で当局が報告した。
増築棟の新設やその後に行う既存棟改修に向けて2022年度、基本設計の公募型プロポーザルを実施し、久米設計・衞藤中山設計JVを特定。患者数・手術件数の増加による各所の混雑や医局等のスペース不足解消を見据え、機能移転する空間で新たな手術室やベッド搬送可能な検査室の設置、MFICU増床などに向け詳細をまとめた。
基本設計は、計画通り23年5月末に完了。各建築概要をみると、増築棟は建物規模SRC一部S造6階建約7986uとし、病床数は3階にICU20床、4階にMFICU3床、5階に一般病棟34床・感染症病棟6床を整備する計画。既存棟は約5608uが改修面積となり、1階の入退院支援センター、2階の外来化学療法部・がんセンター・生理検査室、3階の医局・手術室などを整備対象とする。
次の実施設計は、順調にいけば今月中にも移行する見通し。同JVが随意契約で業務を引き継ぎ、23年度中の完了を目指す。本体工に関して、増築棟は24年度に着工、27年度の供用開始となる見込み。その後の既存棟改修は28〜29年度にかけて推進する。整備は通常診療を継続しながら、部門ごとに順次進める考えだ。
病院の所在地は上荒田町37−1。本棟周辺(南側)が建設予定地となり、新型コロナウイルスを踏まえた感染症対策の強化などを目的としている。再整備の計画案では、概算で64億円規模の総事業費を見込み、増築棟・本棟改修の工事費は約54億円としている。