神奈川県教育局は、横浜市に県立特別支援学校を新設するため、2023年度に測量調査に着手する。旧横浜市立菅田小学校を活用して整備する計画で、敷地測量調査を建成社(横浜市西区)に委託した。測量調査その他の委託費として23年度当初予算に1億2348万円を手当てしている。測量調査以降のスケジュールは未定だが、測量調査の結果次第では、24年度にも基本・実施設計などを委託する可能性がある。
旧菅田小はA棟が1971年建築の鉄筋コンクリート造4階建て。他に74年建築のB棟、75年建築の体育館などがあり、施設の総延べ5904平方b。敷地面積は1万3284平方b。用途地域は第一種中高層住居専用地域。建ぺい率は60%、容積率は150%。所有者は横浜市だが、県は市から土地を当面無償で借用し、校舎は譲渡を受ける予定。校舎は建設から約50年経過し、耐震補強工事済みであるため、そのまま特別支援学校として使用する。校舎の不足分は増築して対応し、バリアフリー化なども行う。
旧菅田小には知的障害教育部門と肢体不自由教育部門を設置する。想定受け入れ児童・生徒数は200人程度。国が定めた「特別支援学校設置基準」に基づき、最低7000平方bの延べ床面積が必要となるが、重複障害児を何人受け入れるかによって必要面積は変化する。横浜市の将来的な特別支援学校の需要も加味して設置規模を決定する予定だ。
旧菅田小は2021年4月に旧池上小と統合して菅田の丘小となったが、統合先の旧池上小校舎が改修中のため24年3月末まで旧菅田小校舎を使用している。測量調査は児童が登校しない夏季休暇中に行い、測量はメッシュ法を用いる。また、旧校舎内の不要物を撤去するための小規模な除却工事も行う。所在地は神奈川区菅田町674。
〜旧亀井野庁舎に新部門を開設〜
教育局は、総合教育センター旧亀井野庁舎(藤沢市亀井野)にも新たな支援学校の教育部門を開設する。これに伴う庁舎の大規模改修と増築の基本設計を23年度に委託する。実施設計と監理は随意契約を結ぶ。基本設計の委託費は23年度当初予算で4780万円を手当てしている。
総合教育センター旧亀井野庁舎本館の規模は、鉄筋コンクリート造2階建て延べ2613平方b。現庁舎には新館・電気室・プロパン庫、車庫が付属し、また県立藤沢支援学校にも隣接している。大規模改修と増築によって肢体不自由教育部門を新設する。重度障害児童・生徒の受入れ人数は50〜60人程度を想定している。
1981年に建設された現庁舎を構造躯体を残しただけの状態にする、いわゆるスケルトン改修を行う見込みで、一部増築する。文部科学省の制定した「特別支援学校施設整備指針」に基づき、肢体不自由児の学び舎としての機能をもたせる。室内にはスロープやエレベーターも設置するなど完全バリアフリー化を目指す。階段や廊下幅などを直し、教室の間取りも変更する。また、藤沢支援学校との連携も考えている。
2028年4月の供用開始を目指し、23年度末までに基本設計を、25年度末までに実施設計を終える。26〜27年度の2カ年をかけて増改築工事を行う。所在地は藤沢市亀井野地内。
提供:建通新聞社