関東地方整備局、千葉国道事務所、首都国道事務所、県、千葉市ほか5市、東日本高速道路関東支社は21日、新たな湾岸道路の計画の具体化に向けた検討を進めるため、「第1回新湾岸道路検討会準備会」を、千葉国道事務所2階202会議室を本部としウェブ会議形式で開催した。座長の小島昌希・千葉国道事務所長は、千葉県湾岸地域の慢性的な交通渋滞の状況などを踏まえ「湾岸地域のポテンシャルを十分に発揮させ、わが国の国際競争力の強化や湾岸地域のさらなる活性化を実現するため、三番瀬再生計画との整合を図るとともに、規格の高い道路の具体化に向けた検討を進めていく」と意気込んだ。今後は、計画具体化へのプロセスの妥当性確認・検証を行い、早期事業化に向けて速やかに概略計画の検討に着手。ルートと構造の具体化や、地域住民および関係機関への丁寧な説明などを進め、計画段階評価に移行する。
会議では、今後の進め方の案のほか、千葉県湾岸地域の交通状況および周辺道路の整備状況、新湾岸道路に期待される沿線自治体への効果と配慮事項が示された。
沿線・関係自治体は千葉市のほか、市川市、船橋市、習志野市、市原市、浦安市。三番瀬への配慮など、引き続き、慎重かつ丁寧な議論が求められている。
沿線自治体への効果や配慮事項は▽市川市=工場・物流拠点における物流効率化・生産性向上、代替路として災害時の活用、三番瀬の生態系等配慮、原木・高谷地区へのアクセス位置の配慮、工業会・漁業組合への丁寧な説明▽船橋市=潮見町地区の利便性・防災力向上、若松交差点の渋滞緩和、生活道路の安全性向上、市内幹線道路の渋滞緩和・交通円滑化、三番瀬の再生・保全への配慮▽習志野市=新習志野駅周辺の混雑緩和、物流の効率化、商業地の利便性向上、谷津干潟への生態系等配慮、ハミングロードから海側への眺望の配慮▽千葉市=千葉港等ポテンシャルの発揮、穴川インターチェンジ(IC)周辺等幹線道路の渋滞緩和、商業・工業・住宅・観光・防災の機能強化、千葉都心地区・千葉港からのアクセス性の配慮、海辺の眺望等配慮、住宅地の生活環境への配慮▽市原市=京葉臨海コンビナートの国際競争力の向上、企業誘致、定住人口の維持・増加、広域的な地域活性化、観光入込客数の増加、東関東自動車道との接続配慮、二級河川養老川の環境配慮――など。
議事に先立ち、小島所長は、2022年5月策定の基本方針に言及。千葉県湾岸地域の慢性的な交通渋滞が課題であると指摘し、「国際拠点港湾である千葉港の機能強化や大規模物流施設の開発計画などがあり、交通需要の増大が見込まれている」と見据えた。
新たな湾岸道路は、東京外かく環状道路高谷ジャンクション周辺から蘇我IC周辺ならびに市原IC周辺までの湾岸部において、多車線の自動車専用道路を整備する計画。
5月26日には、県と沿線市で構成する新湾岸道路整備促進期成同盟会の総会が開かれた。設立について決議したほか、規約、23年度事業計画・予算、要望文など全議案が可決された。