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日本工業経済新聞社(群馬)
2023/06/21

【群馬】県建設業協会 外国人雇用に関するアンケート調査 青柳会長「労働力不足深刻な状況」

群馬県建設業協会(青柳剛会長)は21日、外国人雇用に関するアンケート調査について結果を公表した。継続して外国人の雇用を予定している企業が約19%、今後雇用を予定している企業が14%と、外国人雇用に取り組む企業が合計で33%に上った一方、『分からない』と回答した企業が26%あった。青柳会長は「地方は労働力不足が深刻な状況に向かっている」と話すと「国交省や県にしっかりと伝え、地域の実態に合った制度設計を訴えていきたい」とコメントした。なお、外国人雇用に関するアンケートは、全国の建設業協会でも初の試みとなっている。
(3〜4面にアンケート結果掲載)
現在、国において外国人の技能実習制度および特定技能制度の在り方の検討が進められている。また、働き方改革の大きな柱になる人材確保・育成は建設業界全体にとって大きなテーマとなる。こうしたことから群建協では、県内の建設業における外国人労働者の雇用について、現状や課題を把握するためアンケート調査を行った。
群建協では2014年3月から外国人受け入れがスタートする際にもアンケートを実施。外国人が技能実習生として入ってくることへの問題点を抽出して調査した。その結果、安全面の不安や技術レベルを維持していくことの懸念事項など、国内での技術・技能能力の向上のための方策を求めた提言・要望を発表している。
今回の調査結果について青柳会長は「協会員でも外国人の雇用をしている企業が確実に増えだしている」と前置きをした上で「建築の技能者だけでなく土木の分野でも広がってきている。『技能の移転』が本来の目的であった技能実習制度も特定技能制度が加わり、実態としては技能実習から労働力へと変わりだした」と現状を分析。その上で「中間答申から最終答申に向けて国が見直しを進めている外国人の雇用制度に対する要望や、寄せられた自由意見など、より良い制度に向けた会員の声を伝えることができれば」と話した。
アンケートによると、外国人雇用について、『現在雇用している』が18%、『以前雇用していた』が約10%となり、合計約28%。累計人数は、5人以下が約7割となる。
これまでに雇用した外国人の最終の在留資格は、技能実習2号が約26%と最も多く、次いで技能実習1号が約16%、技能実習3号は約7%となる。また、特定技能については約2%と非常に少ない実態が浮き彫りとなった。
外国人を現在、雇用していない理由としては、『日本人の人材を優先している』が66・5%と最も多く、『期限付きの雇用では育成できない』23・6%、『外国人のための環境づくりが面倒だから』25・1%と続いている。特に、期限付きでは育成できないという回答は、以前は雇用をしていたが現在は雇用をしていない企業が多い傾向にある。
今後の外国人の雇用については、『継続を含んで予定している』が約19%、『雇用を予定している』が約14%となり、合計で約33%と半分を満たしていない。一方で、『分からない』と回答した企業が約26%もあり、外国人の雇用を迷っている現状が伺える。
国が見直しを進めている外国人の雇用制度(技能実習制度および特定技能制度)に望むことでは、『日本語能力を持った外国人の来日』が最も多く、次いで『受け入れ企業の負担軽減』となった。
調査は5月1日時点の雇用状況を対象に5月24日〜31日まで実施。本部会員269社のうち回答社数は233社(回答率86・6%)となった。