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建設経済新聞社
2023/06/21

【京都】木津川市加茂町の恭仁宮跡活用整備 地域計画建築研究所が内容検討支援

 京都府教育委員会は、特別史跡への昇格を目指す史跡恭仁宮跡について、歴史的価値と地域の魅力を発信する活用整備の検討を進める。
 恭仁宮跡(木津川市加茂町の国道163号沿い)は、奈良時代に聖武天皇が天平12年(740年)から足かけ5年間営んだ宮跡。後に山城国分寺に施入された。大極殿の基壇や国分寺塔基壇が残り、発掘調査によって2つの内裏や朝堂院等が見つかっている。
 府教委は、令和4年度6月補正予算に関連事業費を新規計上し、恭仁宮跡を広く知り・触れるための環境整備や府南部地域振興の拠点とするための検討作業や、恭仁宮フォーラム(令和5年2月4日)を開催するなどし、地元の機運醸成を図った。
 また木津川市やお茶の京都DMOらが参画した恭仁宮活用整備検討協議会を設置。令和4年9月、11月に協議会を開催するなどし、発掘調査の成果等について、歴史的価値の共有を図った。
 このほか、国指定史跡恭仁宮跡の活用整備に向けた基礎調査業務をパスコ京都支店(京都市中京区)に委託し進めた。
 令和5年度から令和8年度末までを計画期間とする京都府の新総合計画においては、主な施策の一つとして「恭仁宮跡の特別史跡化など府内の史跡の魅力掘り起こしと活用整備の促進」を盛り込んだ。
 府教委は、恭仁宮活用整備内容支援業務について、公募型プロポーザル方式で業者選定し、地域計画建築研究所(アルパック/京都市下京区)に決定。5月29日に699万6000円で契約した。
 業務内容は、地中に埋もれ一見して理解し難い史跡自体の魅力を様々な表現方法でわかりやすく効果的に表現していくといった観点や、恭仁宮や府南部地域の魅力を効果的に発信し多くの人がこの地域に集まるといった観点を踏まえた検討協議会での円滑な検討を支援するため、次の業務を委託([1−1]全国の民間事業者に対するアイデアヒアリングの企画・実施支援(事業発案段階サウンディングとして、京都府と、恭仁宮に関連性の高いと考えられる事業者や研究機関が、恭仁宮の魅力を効果的に伝える表現方法や導入施設・機能などについて対話を通して幅広く意見交換を行うアイデアヒアリングの企画及び実施支援を行う)、[1−2]地元の主要関係団体等に対するアイデアヒアリングの企画・実施支援、(各主要関係団体等に対する、アイデアヒアリングの企画及び実施支援を行う。主要関係団体には公益財団法人関西文化学術研究都市推進機構や観光団体等を含む)、[1−3]上記により得られたアイデアの整理や事業性の検討(アイデアヒアリングによって得られた内容を、内容の魅力度、事業性、正しい歴史理解の促進などの観点を踏まえて検討し、活用整備内容の全体案を京都府に随時提案する。なお事業性の検討に当たってはVFMの算定や費用便益分析までは想定していない)、[2]地域の歴史文化・観光拠点化に向けた検討(恭仁宮が活用整備後に相楽地域を中心とする府南部地域全体の「歴史文化・観光拠点」となり、地域全体の活性化に寄与している具体的なイメージ案を作成し、京都府に随時提案する。作成にあたっては地域の既存の歴史、地域振興施策に関する情報をもとに、現在充実(不足)している内容や、強み(弱み)などを分析し、ポストコロナ社会における新しい旅行者の価値観も踏まえた内容とする)、[3]上記を踏まえた検討成果報告書の作成)。活用整備を検討している面積は35fあるとする(史跡指定地内30f、史跡指定地外5f)。契約期間は令和6年3月31日まで。委託上限額は800万円(税込)。