岡山県は、国の各省庁の2024年度予算要求作業が本格化する時期に向けて、「生き活き岡山」の実現のために国の予算や施策に反映させるべき重要な課題を関係省庁に提案した。提案数は新規3、一部新規13、継続31の計47提案。
新規では、エネルギー・素材産業の集積地である水島コンビナートが50年のカーボンニュートラルの実現に貢献する施設となるように立地企業の設備投資や技術開発などに対する支援の充実。必要な共用設備整備への支援などを提案した。
主な提案事項の次の通り。
=物価高騰対策=
▽エネルギー価格や原材料価格の高騰により、コスト負担の面から中小企業・小規模事業などへの支援強化など
=教育県岡山の復活=
▽学校ICT環境の整備推進など、小中学校や特別支援学校の長寿命化改修やバリアフリー化、洋式トイレ、空調設備など施設設備に関する国庫補助率のかさ上げや補助要件の緩和、高等学校の備蓄倉庫などの屋外防災施設以外の施設設備も小中学校などと同様に補助対象化
=地域を支える産業の振興=
▽水島コンビナートの国際競争力強化に向けた支援の充実▽水島港の整備促進―船舶の大型化に対応した港湾施設の整備促進(塩生埠頭の桟橋整備や水島東航路、玉島東航路の増深など船舶の大型化に対応した港湾施設の整備促進)、浚渫土砂処分場の確保に向けた取り組みの促進(水島港の航路整備促進のため、新たな浚渫土砂処分場の確保)、備讃瀬戸航路の整備促進
▽高規格道路の整備促進―国道2号岡山倉敷立体(T期)の整備促進と早島町〜倉敷市間の未事業化区間の早期事業化、玉島・笠岡道路(U期)と笠岡バイパスの25年度の完成に向けた整備促進、国道2号福山道路(笠岡市茂平〜広島県福山市瀬戸町)の早期事業化、ICアクセス県道の整備推進のための予算確保、国道53号津山南道路の整備促進、岡山市北区菅野〜岡山市北区御津宇垣間などの未着手区間の調査検討を踏まえた効果的な事業化、国道180号岡山環状南道路の整備促進、岡山西バイパス(岡山市北区西長瀬〜楢津)の整備促進、総社・一宮バイパスの整備促進、美作岡山道路吉井〜湯郷IC間の整備促進のための予算確保、瀬戸JCT部の整備促進のための予算確保、中国横断自動車道岡山米子線の早期全線4車線化〔西日本高速道路〕賀陽IC〜北房JCT間の整備促進
▽社会資本整備の推進―集中豪雨や大型台風に備え、水害を防止するための河川整備、高潮・津波・土石流・地すべり・がけ崩れなどの災害を防止するための海岸保全施設と砂防関係施設の整備、産業活動を支える幹線道路や日常生活に密着した道路の整備、世界につながる海の玄関口としての基盤を強化するための航路や泊地の浚渫などの港湾整備、活力と魅力あふれるまちづくりへの支援、公共用水域の水質保全と快適な生活環境を創出するための下水道の整備、農業水利施設などやため池・防災施設の整備、自然災害から山地や生命を守る治山施設の整備、森林の整備と山村地域の活性化を図るための路網整備、水産資源の確保育成と安定供給に必要な漁港、漁港施設の一体的な整備
=安心で豊さが実感できる地域の創造=
▽医療提供体制の充実―医療施設耐震化の促進、医療提供体制施設整備交付金(施設耐震整備)の補助基準額の引き上げ
▽岡山桃太郎空港の老朽化対策の推進―災害時の緊急輸送拠点である岡山桃太郎空港の安全・安心を確保するため、滑走路やエプロンなどの施設の老朽化対策に必要な財源の継続的な確保
▽岡南飛行場の施設整備の推進―将来にわたって空港機能を維持するため、滑走路などの施設整備を空港整備補助事業の対象とすること、また、公共施設等適正管理推進事業債(長寿命化事業)の対象とすること
▽国営造成施設の安全性確保と国営事業の推進―国営造成施設の早急な耐震性調査と施設の長寿命化対策の検討、児島湾締切堤防の耐震工事(児島湾沿岸地区)をはじめ、現在実施中の国営事業の早期効果発現に向けた事業の加速化
▽治水と高潮・津波対策事業の推進―直轄管理区間の旭川中上流ダム再生事業、高潮対策事業などの推進、県管理河川事業と高潮・津波対策事業予算の確保、流域治水の推進
▽土砂災害防止対策の推進―砂防事業、地すべり対策事業、急傾斜地崩壊対策事業を計画的・安定的に実施できるよう十分な予算確保
▽南海トラフ地震に備えた土木施設の整備推進―堤防・護岸・水門など海岸保全施設や河川管理施設の耐震化と液状化対策の推進に十分な予算を確保すること
▽水道施設の耐震化の推進―水道施設等耐震化事業の採択要件の緩和と交付率の引き上げ・要望額の満額交付
▽警察基盤の整備充実―老朽化した交通信号機などの更新や信号灯器のLED化などの推進
▽地域の実情に応じた地域公共交通の維持・確保―23年度から耐震補強に取り組む井原鉄道について、高架橋などが多いことも踏まえ、財政支援の拡充を図ることなど
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提供:建通新聞社」