香川県は、2023〜27年度の5年間に事業費151億円でため池370カ所の全面・部分改修や防災対策を行う「老朽ため池整備促進計画第12次5か年計画」を策定した。全面改修を行うため池は150カ所で事業費128億円、部分改修は130カ所で18億円、受益地がないため池などの防災対策90カ所に5億円を費やす。
県は、未改修の防災重点農業用ため池1440カ所について、決壊につながる可能性がある堤体上流面の変形や堤体下流面から漏水に関する調査結果に注目しつつ、その他の項目も含めてため池全体の総合的な老朽度を、劣化が進行している順にA、B1、B2、C、Dの5段階に区分した。
堤体、取水施設、洪水吐の全てで老朽化が進む「老朽度A」のため池が179カ所、全体的に劣化は進行していないものの断面変形が大きいものや漏水が一定程度認められるなど堤体の劣化が進み地震や豪雨で決壊する危険性が高い「老朽化B1」が198カ所で合計377カ所ある。このうち、受益農地がなく農業用水の貯水池として利用していない94カ所を除いた283カ所を選び、さらに地域内の統廃合での廃止を検討していく42カ所を除いた241カ所について、ため池工事特別措置法の有効期限である23〜30年度の8年間で全面改修する。この中から、老朽度や下流への影響度などを考慮して優先度の高いため池150カ所について27年度までに完了させる。
堤体の劣化が激しくないものの、局所的に劣化や変形が生じているため池や豪雨などの外的要因で変形が生じたため池は、27年度までに130カ所、30年度までに200カ所で部分改修を行う。
提供:建通新聞社