横浜市資源循環局は、旧磯子工場の土地利用に関して、民間事業者を対象に実施したサウンディング調査(対話)の結果を公表した。5者が参加し、再生可能エネルギー施設やごみ処理施設、発電施設として活用するアイデアがあった。今後は対話の結果を基に、局内で活用方針を検討する。
旧磯子工場には、約1万平方bの広大な市有地が広がり、有効活用が期待される。一方で、老朽化した建物が現存。工場跡地のため土壌改良が必要となっているなど利活用にハードルがある。
そこで、民間事業者との対話を4月17日〜5月16日に実施。土地に対する評価や想定する土地の活用方法、整備・運営手法などについて意見を求めた。参加した民間事業者は、エネルギー関係が2者、リサイクル関係が2者、建設関係が1者だった。
立地については、周辺に住宅がないことやアクセスを考慮すると、工場用途に適しているとの意見があった。一方で、建物の解体や土壌改良にかかる費用負担の大きさ、通勤アクセスの悪さに加え、海に面するため津波、高潮といった災害の発生を懸念する声があった。この他、利用用途の規制緩和を求めた。
事業は▽直営▽代表企業または施行者▽特定目的会社(SPC)―により参画する意向があった。2者が早期事業化を希望した。
事業者募集では価格よりも提案内容を重視してほしいとの要望があった。
旧磯子工場の所在地は、磯子区新磯子町38で敷地面積は約1万平方b。用途は工業で、建ぺい率は60%、容積率は200%。
現存する建物の規模は、鉄骨鉄筋コンクリート+鉄筋コンクリート+鉄骨造地下3階地上5階建て延べ7409平方b。現状有姿での引き渡しを想定している。
磯子工場は1969年に稼働を開始。73年に磯子検認所を敷地内に新設した。84年に磯子工場を改修し磯子輸送事務所として運用を開始したが、2005年に廃止。現在は、磯子検認所のみを活用している。
検認所は、下水道が未整備の地区で発生するし尿を収集、前処理して、隣接する南部水再生センターに圧送する施設。民間事業者による利活用が決まれば、機能を他所に移転する。候補地は未定。
土壌改良については、地歴調査を八千代エンジニヤリング横浜センター(横浜市保土ケ谷区)に、土壌概況・詳細調査をエヌ・イーサポート横浜営業所(横浜市都筑区)が実施した。
〜測量業務を23年度に委託〜
旧磯子工場の敷地は登記上で現在一筆となっており、面積は1万3147平方bある。これは旧工場敷地の北側と西側、南側の道路利用部分を含んだ面積で、今後、道路利用部分は分筆を予定している。これに向けて、工場敷地と道路利用部分の境界線を明確にするため、23年度に測量業務を委託する。
提供:建通新聞社