京都市は、団地再生事業を進める錦林市営住宅について、更新棟となる新K2棟及び新K3棟(仮称)の建設を計画。来夏の着工を見据え、第4四半期(令和6年1〜3月)に入札する予定。
錦林市営住宅(左京区鹿ケ谷高岸町、永観堂西町/第一種中高層住居専用地域)は、入居者の周辺棟への移転後、既存のK1棟に隣接し、現在の団地内の地域動線である東西南北のコミュニティストリート沿いである敷地(5〜7、9、10棟、錦林診療所を解体した跡地)に更新棟2棟(K1棟以外の住棟を全棟集約)を建設する。またK1棟に面する位置にエントランス広場、東側の公園に面する位置に集会所を整備し、住民の地域コミュニティ活性化に資する計画。団地再生事業の中で生じる跡地(活用予定エリア)には、地域が必要とする機能を呼び込む。
更新棟となる新K2棟は、RC造4階建、延2386・55u(建築面積789・45u)・高さ14・02m、新K3棟はRC造3階建、延2013・61u(建築面積879・21u)・高さ11・23mで計画している。住戸は新K2棟が42戸、新K3棟が32戸を収容する。敷地面積は新K2棟が2150・80u、新K3棟が2396・08u。
設計は三宅建築事務所(京都市左京区)。
発注見通しによると、京都市錦林市営住宅新築工事ただし、新K2棟及び新K3棟(仮称)建築主体その他工事は第4四半期に入札。概要は市営住宅の新築工事。工期は17ヵ月。概算額区分は4億円以上WTO対象未満。JVの可能性有り。
着工は令和6年8月上旬、完成は7年12月下旬を予定。
関連工事として、京都市錦林市営住宅5棟ほか6棟解体撤去工事をこのほど公告。7月7日に開札し、施工業者を決める。工期は令和6年7月20日。
また市は令和5年度当初予算の債務負担行為として、錦林診療所除却(令和6年度)に限度額1150万円を設定した。
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京都市は、2月市会の代表質疑で「市営住宅の居住性能の向上への取組」について坂越健一副市長が答弁。「住棟の集約・建替えや機能改善を総合的に実施する団地再生事業を進めている6つの団地についても建替え住宅のさらなる省エネルギー化に向けた設計を進めている。具体的には、このほど公営住宅等の省エネルギー性能の大幅な向上を図るZEH(ゼッチ。ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化の促進に向けて国の交付金が新たに拡充されたことを踏まえ、これを最大限に活用し、従来よりも外壁や窓等の断熱性能を大幅に引き上げる。これにより、現行の省エネルギー基準と比較してエネルギー消費量を20%以上削減し、住棟全体として最高水準の省エネルギー性能を確保するZEH−マンションオリエンテッドを達成する。また大規模改修の際にも、防水改修時の屋上断熱化や共用部分の照明のLED化など、引き続き既存住棟の省エネルギー化も進める」と方針を示した。