県土整備部は、水防法の改正に伴い洪水浸水想定区域の指定を「その他河川」にまで拡大する。県内の中小河川190を超える箇所について、24年度にかけて浸水シミュレーションし、25年度までに区域指定の完了を目指す。
同部河川課の説明では、県内には294の県管理河川があり、うち水防法に基づく「水位周知河川」に大路川など19河川、「洪水予報河川」に由良川の計20河川を浸水想定区域に指定している。
近年、関東・東北豪雨(15年9月)や、北海道・東北の台風10号豪雨(18年8月)の際には、中小河川の急激な水位上昇が多大な被害を引き起こしており、国は21年7月に水防法を改正。従来あった洪水浸水想定区域の指定対象を拡大した。
同部は法改正の趣旨を踏まえ、水位周知河川、洪水予報河川以外にも「その他河川」に指定の対象を広げる。湖山川、浜村川、名和川など中小190超の河川を対象に、家屋など保全対象がある区間を浸水想定区域に指定する。
「6月補正案」に5100万円を計上しており、7月にも実績のある県外コンサルタントに委託して洪水予測システムの構築検討や、モデル地区での浸水シミュレーションを実施する。
同部は「来年度からは県内のコンサルタントにもシミュレーションできるようシステムを構築する」(河川課)とし、24年度以降の区域指定に向けた調査費は数億円に上る見通し。25年度までに区域指定を終わらせ、その後市町村がハザードマップの作成に反映させる。
日刊建設工業新聞