県産業会館廃止方針等に伴い移転先が決まっていなかった県特産品協会が運営する鹿児島ブランドショップは、鹿児島市城山町に位置する歴史的石造建築物の旧興業館に移転することが分かった。14日、第2回県議会定例会で塩田康一知事が提案理由の説明の中で明らかにした。
県産業会館に入居する県中小企業団体中央会と県商工会連合会等が中心となって中小企業会館(仮称)の整備計画が進む中、鹿児島ブランドショップは移転先が決まっていなかった。
移転先の旧興業館は国の登録有形文化財。計画が進む中小企業会館の隣接地で、物産陳列場など本県の産業振興施設としての役割を担っていたこともあり、ブランドショップとして歴史的意義や建築的価値を継承する。
外観は外壁が石積みで建物規模は石造2階建675u。1883年に建築され、2000年に耐震性能が不十分と判明したため、02年に閉館。
その後、21年度に修理計画(案)を策定した経緯があるが、活用法の方向性が見えたことで今後、所管する県教育委員会と調整を図り、建築や文化財、マーケティング等の専門家、県議会の意見も踏まえ整備の具体化を急ぐ。
また、本港区エリアの全体像の策定に向けた取り組みは、景観・デザイン調整会議を設置して、桜島眺望やまちなみ景観など、景観形成の基本的な方向性を示すガイドラインを策定。また、同エリアを含めた本県のまちづくりや建築政策に対する助言を求める特別アドバイザーを選定する。