北海道建設新聞社
2023/06/14
【北海道】道がラピダス半導体工場に工業用水供給を検討
道は、ラピダス(本社・東京)の次世代半導体工場新築に伴い、工業用水供給を検討している。企業局所管で安平川が取水源の苫小牧地区工業用水道第二施設を有力とし、供給量は一日当たり数万m³を見込む。水利権の調整や整備費、工期など他の取水源も含めて供給方法を検討し、年度内に方向性をまとめる。同社による2027年の量産体制開始に合わせる考えだ。
ラピダスは千歳市の工業団地「千歳美々ワールド」に工場を新築する。25年の試作ライン稼働、27年の量産体制開始を目指している。
試作ラインに必要な一日当たり4000m³の水量は千歳市の上水道で賄うが、量産体制では数万m³が必要になる見通しだ。
有力としている苫小牧地区工業用水道第二施設は、一日当たり10万m³を供給可能で配水管の延長は44.2km。ラピダスの工場とは直線距離で14km離れている。同社や千歳市、苫小牧市といった関係機関と協議して取水源を決める。
必要に応じて管路やポンプなどを新設するが、多額の事業費を見込む。道単独での整備は難しく、補助金も既存の枠組みでは活用が難しいとみているため、国に対して支援を要望する考えだ。