元町まちづくり協議会は、元町地区に立つ建物が老朽化し、将来的に建て替えが増えることを見据え、まちづくり協定や地区計画でかかる建築物への規制などを見直す。協議会内に分科会を設立して議論を行って方向性を決め、必要であれば協定や地区計画を改めることも視野に入れる。
元町地区は、JR根岸線石川町駅の東側に位置する。地区の北から元町河岸通り、元町通り、元町仲通りの三つのメインストリートが東西を走り、通り沿いには店舗が立ち並ぶ。
これまで、街並みを重視したまちづくりを行ってきており、まちの景観を維持するために、地域の組織が定める三つのまちづくり協定と、市が都市計画決定する二つの地区計画により、建築物の用途や高さなどを規制している。
まちづくり協定は、いずれも2003年に制定した。建てられる建築物の用途や形態・意匠、設置できる屋外広告物、商店街のにぎわいづくりへ関わりなどを定める。
「元町町づくり協定」は元町全域が対象で、建築物の外壁や屋根がそれぞれの通りに調和したデザインとなるよう求める。
「元町通り街づくり協定」はおおむね元町河岸通り沿いと元町通り沿いが、「元町仲通り地区街づくり協定」は元町仲通り沿いとその南が対象エリアとなる。元町通りと元町仲通りに面する建築物の1階は壁面を後退させ、雨の日でも濡れずに歩ける空間を確保することとする。
二つの地区計画では、いずれも建築物の低層部に店舗や飲食店などを誘導することを定める。
1999年に都市計画決定した「元町仲通り街並み誘導地区地区計画」は、元町仲通りより南のエリアが対象。誘導する用途の他、建築できる容積率や高さなどを規定する。
2003年に都市計画決定した元町地区計画は、元町仲通りより北のエリアが対象で、定住を目的とした共同住宅を整備する方針を示す。
これまでに09年や14年にも、まちづくり協定などのルールについて見直しを行っている。
横浜市都市整備局は、分科会で用いる資料作成などの業務をオクトプランニング&デザイン(横浜市中区)に委託し、元町地区のまちづくりを支援する。
提供:建通新聞社