住民に最も身近な市町村議員や国の方向性を決める国会議員と比べ、「県議の仕事は一言で言い表せず、理解を得にくいが、その仕事は決して軽くなく、やりがいのあるもの」と強調。4月の県議選で投票率が過去最低だったことにも触れ、「議会の活動を見てもらい、知ってもらうことが一番大事であり、県民にアプローチしていきたい。注目されているという意識が働くと、活性化し骨太な県議会につながる」との考えを示す。常任委員会の視察や意見交換会を積極的に行うほか、「雑誌型の広報誌『TOYAMAジャーナル』の発刊や高校出前講座を継続して進めていく」と議会の役割を発信し、関心を深めてもらう。
新型コロナが5類感染症に移行した。「コロナ禍を乗り越え、前へ進む時期。エネルギー価格をはじめ物価高騰もあり、どう歩んでいくのか。直近の大きな課題」と指摘した上で、「価格転嫁できないと賃上げにつながらない。好循環を生み出すような十分な政策を講じることが求められる」と社会経済活動の確実な回復を目指す。長期的な課題では、少子化による担い手不足の深刻化を挙げる。少子化対策・子育て支援のさらなる充実とともに、「働き方改革が推進される中、生産性を高めるほかない」と捉え、DXなどイノベーションの進展に期待を込める。県は、新たな地域公共交通計画の策定を進めている。「公共交通は都市機能の一つとして必要な社会インフラ。まちづくりとリンクすることを関係者が共有し、議論していくことが重要」と説き、利便性・安全性の高い持続可能な体制を構築していく。
道路や橋梁など公共施設等の老朽化が進んでいる。「新たな整備と同じく、戦略的、計画的に長寿命化対策として維持管理・更新に取り組むべき」と県土の強靭化を図る。工事の平準化、ゼロ県債の活用などを要望してきているが、「県民生活の基盤となる社会資本のより良い整備に向け、価格変動にもフレキシブルに対応してほしい」と品質確保の促進を働きかける。地元建設企業に対しては、「今ある課題を乗り越え、社会資本整備のみならず、除雪や災害復旧などにも力を発揮し、頼りになる業界になってほしい」とし、地域の安全・安心を守る建設業の振興を支援する。
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やまもと・とおる 大東文化大学文学部卒。1999年4月に高岡市議、2004年7月の県議会議員補欠選挙で初当選。環境厚生委員長、副議長、総合交通特別委員長など歴任。5月に131代(戦後77代)議長に就任した。高岡市扇町。53歳。