国、県、秋田市が連携して進めている古川流域の治水対策に関し、秋田市建設部が整備する古川排水機場(排水機場T)の機場本体工事、機械電気設備の2件については9月議会の契約承認を目指し、7月上旬頃に公告する予定。また、上下水道局が整備する古川雨水排水ポンプ場は現時点、5件での発注が見込まれており、9月以降に順次、公告される。
建設部が整備する古川排水機場は、古川に流れ込む流域の水を雄物川に排水するもの。古川左岸の古川排水樋門隣接地(四ツ小屋字中山)に、毎秒1㎥を排水できるコラム式水中ポンプ10台を設置し、毎秒10㎥を処理する。
給電設備はディーゼル式の発動発電機5台。排水形式は堤防乗越形式で、口径600mmの鋼管10本を設置する。排水機場本体の北東には、約3m盛土した上に操作棟(S1F271.8u)も建設し、発電機室、電気室、管理室などを設ける。排水機場の運転操作は原則、管理室内に設置する監視操作卓で集中的に行う。
今年度は44億5,150万円の3カ年継続費を設定。機場本体(土木)と機械電気設備を7月上旬頃に公告し、9月議会での契約承認を目指す。契約後は3カ年をかけて整備する。7年度は操作棟新築と、排水機場までの連絡道路整備(L約400m)も行う。
上下水道局が所管する古川雨水排水ポンプ場(排水機場U)は、古川分水樋門から猿田川合流点までの古川下流部(通称・新川)に流れ込む流域の雨水を雄物川に排水するもので、雄物川右岸側、秋田発電・工業用水道北側に整備する。
当初は排水ポンプ4台を設置する予定だったが、毎秒1.38㎥を処理できるポンプを8台設置し、毎秒11㎥を処理する。給電設備は当初、ディーゼルエンジン+自家発電設備としていたが、住宅地が近いため騒音や振動に配慮し、騒音対策に有利なガスタービン式の発動発電機を採用した。排水形式は建設部の排水機場と同じ堤防乗越形式で、口径700mmの管15本を整備する。
古川からポンプ場に洪水を引き込むため、仁助下橋と大野新橋の間に電動式ゲートを備えた引込施設を整備。そこからポンプ場までは幅2.8m、高さ2.8m、延長151.4mのボックス型導水路を通じて古川からポンプ場に洪水を導き、吐出水槽を介して堤防を乗り越して雄物川に排水する。
今年度は78億9,000万円の3カ年継続費を設定しており、導水路、ポンプ場本体、同機械設備、電気設備、護岸整備を9月以降に順次、公告する予定。
上下水道局ではこのほか、低地で周囲からの雨水排水が集まりやすく、雨水排水ポンプ場を整備しても浸水被害が残る仁井田潟中町地区の浸水対策をカバーするため、水位感知により作動する排水ポンプを設置する。着工は7年度の予定で、それまでは水位感知センサにより起動する暫定の排水ポンプ(整備済)で対応する。
提供:
秋田建設工業新聞社