日本工業経済新聞社(群馬)
2023/06/09
【群馬】県中部農業事務所渋川農村整備センターの23年度主要事業
県中部農業事務所渋川農村整備センター(綾部賢二センター長)は2023年度の県営事業概要を示した。予算額は22年度からの繰り越し分などを含め、6事業11地区に4億3144万円を確保。23年度は大谷の堤を対象とする底樋管および取水施設更新工事と、滝ノ沢地区で行う農業用管路の更新工事へ本格的に着手する。業務委託については、漆原地区において排水路整備計画の作成を行う。
大谷の堤は、(県単)群馬県防災重点農業用ため池等緊急整備事業を活用して工事を行う。渋川市北橘町小室地先に整備されている大谷の堤は堤長100m、堤高6・2m、貯水量8000立方mのため池。
底樋管工事は既設のφ200oのヒューム管をφ800oのヒューム管に更新する。施工延長は18m。取水施設更新工事では既設の斜樋を巻き上げ式の斜樋に更新する。事業費は3200万円。設計はオウギ工設(前橋市)が手掛けた。
吉岡町上野田地先の滝ノ沢地区は、(補助)農村地域防災減災事業(特定農業用管水路特別対策)を活用して農業用管路更新工事を行う。現場は主要地方道前橋伊香保線の北側に位置し、東西に延びる区域。
区域内にはφ250o〜350oの石綿管が敷設されており、φ250o〜φ350oの塩ビ管に敷設替えを行う。全体計画延長は2500m。うち、23年度は区域内西側を対象に800mの敷設替えを実施する。事業費は8773万円。設計は黒岩測量設計事務所(前橋市)がまとめた。
吉岡町漆原地先の漆原地区は、吉岡町緑地運動公園(漆原2004)付近に位置し、吉岡川と利根川に挟まれた区域が対象。同地域では、豪雨時において排水機能に不足が生じ湛水被害が発生していることから、利根川に排水させることを目的に排水路整備を計画する。23年度に委託する排水路整備計画の作成は、延長1800mを対象に行う。事業費は330万円。
この他の主な事業は次の通り。
【障害防止対策事業相馬原地区】
23年度は榛東村上野原地先の堂の入沢水路と、榛東村山子田地先の榛名幹線水路で工事を行う。事業費は7019万7000円。
堂の入沢水路は、堂の入沢を起点に道城西貯水池までの全長約4600mをつなぎ、長岡地区一帯の水田に農業用水を供給している。23年度は、22年度施工箇所の上流側でφ200oの塩ビ管を400m敷設する。残りの約300mの管路工事は、24年度以降に実施し工事完了を目指す。設計は黒岩測量設計事務所が担当した。
榛名幹線水路は、榛名白川から取水し、水出貯水池までを結ぶ延長約5300mの水路。23年度は蛇ヶ見川を跨ぐ水管橋および水管橋前後の管更生工事と、水出貯水池から上流に約100m向かった位置を起点に、さらに上流に向かった400m区間を対象に管路工事を実施する。
水管橋の前後を対象とする管更生工事は延長約76m行う。約φ300oの鋼管が設置されている水管橋部分の施工延長は約30m。水管橋の前後についてはφ300oのヒューム管を対象に延長約46m施工する。
400m区間を対象に行う管路工事は、既設のφ350oのヒュームをφ350oの塩ビ管に敷設替えを行う。
設計は内外エンジニアリング(京都府京都市)が手掛けた。
【石原後堤地区】
渋川市石原地先にある、ため池の石原後堤については、事業化に向けた資料作成に着手する。事業費として330万円を確保している。同堤は堤長72m、堤高6・6m、貯水量4万380立方mの規模。
【宮原地区】
渋川市小野子地先にある、ため池の宮原については、事業化に向けた資料作成に着手する。事業費として200万円を確保している。同堤は堤長33m、堤高5m、貯水量1067立方mの規模となっている。