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北海道建設新聞社
2023/06/07

【北海道】積水ハウスと會澤高圧 3Dプリンターでベンチ製作

 積水ハウス(本社・大阪)は、會澤高圧コンクリート(同・苫小牧)の協力を得て、建設用3Dプリンターでベンチを製作した。将来的に3Dプリンターで住宅建築ができないか技術検証する一環。ベンチは道の駅隣接地にホテルを新築したことがある南富良野町に寄贈した。
 積水ハウスが作成したデザイン図面を基に、會澤高圧コンクリートが仕上げた。建設用3Dプリンターの特長は型枠が不要で、作業時間が短いこと。ノズルが速乾性のモルタルを吐き出し積層する。ベンチは約30分で出来上がった。
 幅1.8mで、高さ0.8m。デザインは南富良野町をイメージし、カヌーに似せた。3Dプリンターならではの技術で曲線を表現している。強度試験などを経て、南富良野町道の駅ラベンダー園に設置した。
 積水ハウスは、現状の出力機械は基本的に一筆書きのデザインを中心とするものの、技術が向上すれば多様なデザインを製作できる余地があることを確認した。
 24日には、関係者が集まり寄贈式を開催。積水ハウスの深井公施工技術開発部長は「海外では、小規模な住宅や橋を低コスト・短工期で建設できる技術として、3Dプリンターが認知されつつある。当社としても何か新しい取り組みができないか考える中で事業に至った」と振り返り、協力に感謝を述べた。
 會澤高圧コンクリートの坂見昌浩常務は「3Dプリンターは工程の短縮により脱炭素にも貢献できる。技術を発展させるため、皆さんのアイデアやデザインをいただきたい」と呼び掛け、また「ベンチを通じて南富良野町をPRしていければ」とも話した。
 高橋秀樹南富良野町長は「貴重な技術でベンチを寄贈していただきありがたい」と述べ、地域振興に役立てることを誓った。(旭川)