県南部土木事務所は、草津市馬場町地先で計画している桐生口橋修繕工事について、工事の際、片側規制を運用するか迂回路を設置すべきかといった交通対策手法の検討を進めており、その結論が整い次第工事発注する考えを示した。
このことから、工事発注時期は現在のところ未確定。基本的には年度内の発注を目指す方針で、遅くても来年度早々には工事公告出来るよう協議・検討を進めていく見通しだ。
主な工事内容は、上部工の床版と鋼桁の間に隙間が生じていることから、橋面をめくり桁を補修する。もしくは鉄筋などを増やす補強工事を実施する模様。併せて、床版と鋼桁が一体となって働くようにずれ止め筋の補修も検討されている。
同橋は、草津市馬場町地先を通る県道南郷桐生草津線沿いに架かっており、63年(昭和38年)に架橋された橋台2基・橋脚2基を備える橋長31b、幅員7・1bの鋼橋(3径間)。上部工形式は単純鋼H桁RC床板橋で、下部工形式は橋台が重力式橋台、橋脚は壁式橋脚となっている。直近の工事状況を見ると、20年(令和2年)に支承の取替え、塗装の塗替え工事を完了させている。
計画では、法令点検に基づき14年(平成26年)に同橋の点検を実施したところ、修繕が必要と診断され、17年(平成29年)に修繕工事に着手し20年度(令和2年度)に完了。しかし、その修繕工事の中で新たに上述した修繕問題を発見。同事務所は早急な対策が必要と判断し、過年度に概略設計・詳細設計に取り掛かり、工事発注に向けた最終調整まで進めたところ。
同事務所では、11年度(平成23年度)から進めている橋梁長寿命化修繕計画に基づき、橋長15b以上を対象に損傷が大きくなってから対策を行う事後保全から、損傷が大きくなる前にきめ細やかな修繕を繰り返す予防保全を行っており、管轄エリア内の大半を予防保全に切り替え、更なる維持管理コストの縮減・平準化・道路ネットワークの安全性・信頼性の確保等を目指している。
提供:滋賀産業新聞