国土交通省渡川ダム統合管理事務所は、「中筋川流域かわまちづくり」として展開するハード・ソフト両面の施策の最新案をまとめた。中筋川ダムと横瀬川ダム周辺を計画区域として「既存施設の有効活用」「維持管理の負担低減」「地域の特徴をふまえたソフトメニューの提案」を基本方針としている。
中筋川ダムエリアでは、梅ノ木堰堤付近の親水護岸補修、同堰堤左岸側の環境整備やファミリー向けキャンプ場などを検討する。蛍湖周辺ではダム湖の護岸と管理道、柚の木周辺ではオートキャンプ場やホタルが住みやすい環境を作るためのホタル池やトンボ池の改修を行う。
横瀬川ダムエリアでは、ダム周辺の仮設平場を生かした駐車場と雨乞いの祠への安全な動線整備、落石箇所の補修など。また自治体や民間による上級者向けのクライミング施設の建設も検討する。パイロット道路・環境創出箇所では安全な道路づくりと係船用のスロープ護岸、法面崩壊箇所の雨水処理施設や平場を活用した拠点づくり。旧見学所跡地はダム湖に張り出したビュースポットへの改良を検討する。
今後は6月に正式にかわまちづくりの検討に入り、夏場の水辺利用イベントなどを通じて既存施設を活用した実証実験を2回行う。実験の結果を踏まえて、各整備箇所のメニューを見直し、2024年2月ごろ国・県・宿毛市・三原村などで構成されるダム利活用調整協議会に提示して最終案をまとめる。24年7〜9月の計画登録、25年度からの事業開始を目指す。
提供:建通新聞社