富山県測量設計業協会(市森友明会長)の主催による「地図教室」と「測量実習」が2日、富山市婦中町の神保小学校で開かれた。後援は国土地理院北陸地方測量部。
国土交通省が定める6月3日の「測量の日」関連行事の一環。協会と同測量部では例年、県内の小学校を訪問し、測量と地図の役割、重要性を理解してもらう活動を行ってきたが、コロナ禍で3年間取り止め、今回が4年ぶりの実施となった。
この日は5年生41人が参加。冒頭、神保小学校の三日市寛校長が、「測量は色々な物を測り、人間が使えるようなデータとして蓄積し、地図に表したり、例えば北陸新幹線を造る時も使われる。今日は地図の作り方、測量を体験できる贅沢な時間。ぜひ楽しんで下さい」と話した。
続いて、市森会長は、「測量はロシア帝国が蝦夷地を攻めようとしていた江戸時代に、蝦夷地の正確な地図を持っていなかった江戸幕府の命を受け、伊能忠敬さんが作ったのが始まり。それから世界は戦争の時代を迎え、軍事施設にも測量技術が用いられたが、戦争後は道路や橋、上下水道、公園などを造る技術に生かされ今に至っている。測量の技術がなければ、世の中には何も造れず大事な仕事。測量は技術革新が日進月歩であり、人工衛星やドローンを使った技術に変わっている。今日の測量体験で楽しかったら、将来はわれわれの職業に就いてほしい」と訴えた。
ランチルームで開いた地図教室では、北陸地方測量部測量課から横川正憲課長と竹井義貴氏が講師として出席。横川課長が「紙地図にはいろんな情報があるので、興味を持ってもらいたい」と述べた後、竹井氏が地図の読み方、身近な地図記号をクイズ形式も交えて紹介した。
雨天のため、体育館で行われた測量実習では、児童が5班に分かれ、(1)水準測量(2)トータルステーションでの距離測定(3)三角定規を使った高さの測定(4)歩測による距離測定(5)GPSでの身長測定−をそれぞれ体験。ドローンによる空中写真撮影も行われた。
なお、測量実習に際しては、会員企業から新日本コンサルタント、北陸コンサルタント、明和、青山測量設計、栄光測量設計、建技、新栄測量設計、新和設計のほか、シーティーエスが協力。