落石の恐れで全面通行止めとなっている町道陸上中央線(岩美町小羽尾)で、有識者らによる復旧対策検討会(座長・中村公一鳥取大学工学部准教授)が5月31日開かれ、復旧方針としてトンネル、現道拡幅、落石対策施設更新の3案が示された。今後、工法の検討を進めていく。
旧国道178号の陸上中央線は、陸上から小羽尾にかけて海岸線を抜ける路線。県が国交省ナショナルサイクルルート(NCR)の指定を目指す「鳥取うみなみロード」の区間にも組み入れられている。
21年6月に落石が一部カ所で発生し、町が翌22年1月から既設の落石対策施設を点検したところ、複数カ所が「緊急措置段階」に入っていることが判明。同8月から全面通行止めにした。その後、概略検討やドローンでの事前調査などで復旧方法を検討している。
対策の対象区間は、東浜海水浴場から西側の約500b。岩美町は対策方針として▽現道をう回するトンネル(概算事業費13億円)▽現道を海岸側にせり出す拡幅(同10億円)▽既存の落石対策施設の更新(同6億5000万円)―の3案を検討会で示した。
同路線がNCRを目指していることや、山陰海岸ジオパークに組み込まれていること、地元から早期復旧の要望があることなどから、既存の落石対策施設の更新をベースに工法検討していくことを申し合わせた。また、早期復旧のため、応急対策を図りながら片側交互通行できないか検討することを事務局の県が出席者に説明した。
今後、今年9月ごろに検討会で工法の比較を説明、11月ごろに最終報告。順調にいけば来年度から県代行で工事着手する。
日刊建設工業新聞