石川県成長戦略会議の第3回会合が1日、金沢東急ホテルで開かれ、事務局が示した成長戦略の素案及び重要達成度指標(KPI)について意見交換した。
同戦略は2023年度〜32年度までの10年間が対象で、「幸福度日本一に向けた石川の未来の創造」を基本目標に、戦略として(1)新たな時代を捉えて飛躍・成長する産業づくり(2)収益力の高い農林水産業と次世代につなぐ農山漁村づくり(3)個性と魅力にあふれる交流盛んな地域づくり(4)石川の未来を切り拓く人づくり(5)温もりのある社会づくり(6)安全・安心かつ持続可能な地域づくり―の6つを据えた。
主要目標を見ると、県民一人当たり県内総生産(実質)を年平均1・2%成長(12〜22年推計平均)から2・2%成長(22〜32年平均)へ、農業産出額を現行480億円から600億円へ、年間観光消費額を現行3174億円から4000億円へ、合計特殊出生率を現行1・38から1・82へそれぞれ引き上げる。
意見交換で平櫻保委員は「珠洲での大きな地震により外浦の道路が寸断された。外浦と内浦を横断する道路がもう1本必要では」、「担い手問題で全国的な少子化により学生、生徒が中央へ流出している。行政側も対策を」、水野一郎委員は「県全体の一体感を高めるため世界農業遺産の能登を金沢や加賀の人が、加賀の白山手取川ジオパークを金沢、能登の人が互いに応援するような戦略が欲しい」、藻谷浩介委員は「Uターンを促すためには戦略に人件費アップを具体的に書き込むべき」などと提案した。
県では今後、素案に関してパブリックコメントを募り、7月〜9月の第4回会合で最終案をとりまとめ、9月議会へ最終案を上程する構えだ。