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建設新聞社
2023/06/02

【東北・宮城】東北整備局が鳴瀬川ダムの本体詳細設計プロポ

 東北地方整備局鳴瀬川総合開発工事事務所は、宮城県加美町に計画している鳴瀬川ダムの本体詳細設計業務を委託するため、5月31日付で簡易公募型・拡大型プロポーザル方式による選定手続きを開始した。
 参加資格は土木関係建設コンサルタント業務の有資格者である単体かJV。参加表明書と技術提案書は6月23日まで受け付ける。
 業務内容は本体詳細設計とCIMモデル作成など。履行期限は2024年3月15日。
 鳴瀬川総合開発事業は、加美町漆沢筒砂子地先の鳴瀬川水系筒砂子川に、多目的ダムの鳴瀬川ダムを新設する。また、近接する鳴瀬川にある既存の漆沢ダムを治水専用に再開発する。鳴瀬川ダム建設地点の計画高水流量660立方b/秒のうち630立方b/秒の洪水調節を行うとともに、漆沢ダムは同650立方b/秒のうち600立方b/秒の洪水調節を可能とする計画。事業期間は36年度まで。総事業費は1450億円を見込む。
 鳴瀬川ダムは台形CSGダムで、堤高107・5b、堤頂長358b、堤体積164万4000立方b、総貯水容量4560万立方b。33年度に試験湛水を予定している。
 過年度の本体概略設計と施工計画検討、昨年度の本体予備設計と材料配合検討は日本工営が担当した。今年度は水理模型実験を経て詳細設計に取り組み、基礎処理や構造などを詰めていく。民地取得についても23年3月末時点で48l(面積ベース)となっており、引き続き取り組む。
 ダムサイト左岸に設ける転流工は、第4四半期にWTO対象工事で入札予定。延長995b、トンネル径4・9bの馬蹄形で計画。対象流量は毎秒約180立方b。基本断面積は約27平方b。小断面NATM工法で下流側から発破掘削で整備する。詳細設計は日本工営がまとめた。
 このほか今年度は、横坑材料採取工事を今月7日に開札予定。21・22年度の原石山試掘工事は丸か建設が担当している。残土受入地の整備は佐藤工務店が施工中。
 漆沢ダムの再開発に関しては、左岸側にトンネル洪水吐を延長約560b、内径約2bで新設する計画だが、本数を1条とするか2条とするかなど、機能を踏まえた詳細はこれから検討していく。本年度の検討業務は5月30日付で公告した。
 なお、同事務所は国土交通省のi−Constructionモデル事務所に位置付けられており、調査設計から施工および維持管理まで一貫したBIM/CIMモデルの活用を図っている。CIM運用に係る業務は、21・22年度は八千代エンジニヤリング・日本建設情報総合センターJVが担当した。
 今年度は5月31日付で鳴瀬川総合開発CIM活用等検討業務を公告。ダムまたは河川事業のBIM/CIMあるいは情報共有に関する業務実績などが要件。参加表明書と技術提案書は今月23日まで受け付ける。
 昨年度に構築した事業監理プラットフォームの課題を抽出し、利活用方針および運用方法を検討する。統合CIMモデルの更新や同プラットフォームフォームの改修に当たる。履行期限は12月28日。

 提供:建設新聞社