東北地方整備局鳥海ダム工事事務所は29日、鳥海ダム建設事業マネジメント委員会を開催した。委員会では、事業費を現計画の約1,100億円から約890億円増の約1,990億円とし、工期を10年度から14年度に4年延長する方針を示した。今回の変更は、社会的要因の変化によるもので約326億円、環境条件の変更に約297億円、関係機関との協議・調整で約172億円、将来の事業費の変動で約140億円の増額のほか、コスト削減で約45億円を減額している。
今回の変更の主な要因としては、働き方改革関連法に基づく労働条件を考慮した適切な工期の確保により、工期延長が必要となったほか、基本計画作成以降に生じた資材価格や労働費などの物価上昇、消費税率の上昇、工期延長による経費増、付替え道路の構造変更などとなっている。また、転流工の吐き口変更や基礎処理工の変更などに伴い、減額も発生した。
建設予定の鳥海ダムは、子吉川の洪水被害の低減や流水の正常な機能の維持、水道用水の供給、発電などを目的に建設する台形CSGダム。由利本荘市鳥海町百宅に集水面積83.9ku、総貯水総量46,800,000㎥、堤高81m、堤頂長365mで計画する。このほか、ダム建設で水没する市道百宅線などをダムの建設完了に付け替える予定。全長約5,400m、幅員7mの市道百宅線では、2号橋や4号橋、一部道路造成などが進められている。
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秋田建設工業新聞社