日本工業経済新聞社(群馬)
2023/05/29
【群馬】県内12市 安中市はICT検討 働き方改革へ取組み調査
2024年4月から時間外労働上限規制の適用が開始される。県県土整備部では建設キャリアアップシステム(CCUS)活用工事を本格導入するなど、働き方改革に向けた取り組みが加速している。県内12市に目を向けると、安中市がICT活用工事の検討を進めるなど、各自治体においても新たな動きが見られる。弊紙では県内12市における働き方改革に関する取り組みの現状を調査した。
建設工事の働き方改革に関わる取り組みのうち◇建設キャリアアップシステム(CCUS)活用工事◇ICT活用工事◇週休2日制現場◇ウェブ監督(遠隔臨場)−の4点について、12市の契約担当課および係に取材を行った。
ICT施工の導入については、すでに前橋市が試行要領を作成し進めている段階。この他の12市で検討しているのは安中市のみとなる。
一方で、CCUSやICT施工、ウェブ監督は大きな動きが見えてこない。導入へのハードルの高さや現場規模の問題など、さまざまな理由が考えられるが、調査の中では「県の指導がもっと必要」「週休二日制導入は、工期が伸びて金がかかるのが問題。財政課などの理解が必要」「担当課が工期を設定してくるため、各部局での理解が必要」といった意見も見られた。
各地域別での取り組みは次の通りとなる。
【中毛】
前橋市はICT施工について、試行中という位置づけで、すでに要領を作成して実施している。21年度に朝日町3丁目CCRC事業(日赤跡地)、21〜22年度に西善中内産業団地造成事業、苗ヶ島町から鼻毛石町までの道路改良などで適用。CCUSは検討中、ウェブ監督と週休2日制度は今後検討していくとしている。
伊勢崎市はいずれの取り組みも実績がなく、必要に応じて検討していくと答えた。
【西毛】
安中市では小規模工事を対象としたICT施工について、導入の検討を進めている。一方で、高崎市、藤岡市、富岡市は現段階で導入の予定がない。
週休2日制現場は、高崎市が22年4月1日に一部改訂が行われた、県の実施要領に準じて実施していくとしている。安中市、藤岡市、富岡市は導入に向けて検討を進めている段階。
なお、CCUS、ウェブ監督については、全ての市で導入を検討していない。
【東毛】
太田市、桐生市、館林市、みどり市は全ての取り組みについて、これまで実績がない。今後も国や県の動きを見ながら、導入の有無を判断するとしている。
【北毛】
渋川市、沼田市ともに現状では、いずれの取り組みも実施していない状況。
沼田市では週休2日現場は検討する予定としているものの、CCUSやICT、ウェブ監督に関しては検討する予定もないと答えている。