トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設新聞社
2023/05/25

【東北・秋田】秋田県が再エネ工業団地への電力供給調査

 秋田県クリーンエネルギー産業振興課は、秋田市下新城に新設する予定の再エネ工業団地への電力安定供給体制構築に向けた調査などを委託するため、企画提案競技を公告した。
 十分な業務遂行能力を有することなどを参加要件とし、6月8日まで申請書を受け付ける。その後、企画提案書を同月27日まで受け付け、同月末に審査委員会を開催し、受託候補者を選定、通知する。委託金額の上限は1469万2000円(税込み)。
 再エネ工業団地と位置付けている「下新城地区工業団地」は、秋田市下新城中野街道端西地内の県立大学秋田キャンパス南側に広がる県有地に設ける計画。北側10〜15f程度を1期工事として24〜26年度に造成し、26年度から分譲を開始、南側20〜25fを2期工事として25〜28年度に造成し、28年度から分譲する構想で、本年度に設計を委託する。
 新団地への電力供給事業のマスタープランはelDesign(東京都港区)で作成。▽秋田県産再生可能エネルギー電力の100l供給▽県の特徴である風力、洋上風力による電力の最大限の活用│などを骨子としている。
 今回の委託では、マスタープランに掲げた諸課題について調査・条件整理などを行い、その整備に向けた基礎資料をまとめる。
 「再エネ工業団地外における発電適地調査、コスト検証および実現可能性調査」では、団地周辺の再エネ適地に限りがあることから、遠隔地での発電について検討するとし▽自前設置(団地内で電力供給事業を行う事業者が、遠隔地に自ら発電所を設置・系統線経由で送電)▽他者設置(他の発電事業者に依頼し、遠隔地に団地専用発電所を設置・系統線経由で電力購入)の2ケースについて、発電適地や発電規模、コストなどを検討する。
 「大型蓄電池・水素燃料電池活用による電力安定供給に向けた諸課題の整理・検証」では▽電力需要大のパターン(データセンター・中規模工場の組合せ)▽電力需要中のパターン(中規模工場・研究開発型企業の組合せ)」▽電力需要小のパターン(小規模工場の組合せ)│の3パターンについて、電力の需給調整に活用する大型蓄電池、水素製造装置、水素燃料電池の概略仕様の検討、コストなどをまとめる。
 団地への電力供給・エネルギーマネジメント事業は新会社を設立して行うと想定しているが、国内では同様の手法の例がないため、電力供給事業の安定経営条件の整理も行う。
 審査委員会は、県のクリーンエネルギー政策統括監ら4人で構成する。評価項目には、業務の実施手法などのほか、賃金水準の向上や、女性の活躍推進に関する事項も設けている。履行期限は2024年3月8日まで。

 提供:建設新聞社